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1/2 成人式

「二分の一成人式」のことをご存じだろうか。
これは成人式=20歳の半分、つまり10歳の成長を祝う会ということなのだ。

はじめてこれを知ったのは、義姉さんと小学校の話題について話をしていたときだった。
耳慣れない単語に最初は何の事だかわからず、
(都内の小学校では、そんな行事までやるのか…)と思っただけで
特に関心も示さず、まさか自分の身に降りかかってくるなどとは
その時は思いもよらなかった。

2月のある日、担任教師からの連絡が来て
「二分の一成人式を学年行事としてやることになったので、
親からのお手紙という場で手紙を読んでほしいのですが」
と突然頼まれた。
今年の私の目標は少年少女に向けて作品を書くことであるため、
これはある意味、挑戦だ!と考え、
わたしは依頼を快く引き受けることにしたのだ。

我が子への手紙といっても皆の前で読むとなると
これはある意味結婚式のスピーチ、
もしくは嫁から親への手紙のシチュエーションと同じではないかと思い、
「冒頭(呼びかけ)」「イメージが湧くようなエピソード」「締めくくり(これからのこと)」
というような三つの段階にわけて構成し、
どんなエピソードを使うかに頭を悩ませた。

しかし、少年ソウタにはどんなに過去を探っても、
珍事件も面白爆笑エピソードもなく平凡地味。
使えそうなものは殆ど思いつかなかった。
だが、どんな人にもいい所と悪い所がある。
これは共通した裏表のあるひとつの特長で、
誇張することでおもしろおかしく言うことができると思いついた。

それから、手紙の中で最も伝えたいと思ったのは、
クラーク博士の「少年よ大志を抱け」であった。
己のためじゃない。
誰かのための夢や希望であれという、
おとなですら(おとなだからこそ?)忘れがちなことを、
自分だったらこんな風に励ましてもらいたいと思って
書いたのがこの手紙。↓


颯太へ

生まれてから今日までの約10年間、よく立派に育ってくれました。
ママはこの10年の間、少しずつ大きくなっていった颯太の姿をずっとみてきました。
生まれて間もないころから、自分の足でしっかりと歩き出し、
いろんな“はじめて”をひとつずつクリアし、
若葉が伸びるように、にょきにょきと、
ぐんぐんと伸びてくれたことをうれしく思います。

颯太は小さい頃から、いつもひとりで黙々と絵を描いたり、
折り紙やブロックに没頭し、集中するあまり、
まわりをみないほどのマイペースさを発揮し、
時には、あきれ返るほどの危機感のなさに先生に注意されることもありましたが、
できあがって見せてくれる作品は、すばらしく、いつも感動にあふれていました。
素朴でシンプルなときもあれば、力強く色あざやかなときもあり、
個性的で不思議な雰囲気をかもし出しているときもありました。
それは、颯太がもっている色であり、颯太そのものの姿です。
だけど、いまのこの瞬間、こうやって、あたりまえのように学校に行き、
たきたてじゃないと嫌だという白いご飯を食べ、
すきなブロックを思う存分できるのは、
保育園の先生や学童保育の先生、学校の先生、美術教室の先生、
友達、友達のお母さん・お父さん、近所の親切な人、
おじいちゃん、おばあちゃん、そしてパパの「ささえ」があったからです。
それだけではありません。
ほんの少し顔をあげてみれば、
まわりの人がどんな風に生き、ささえ合っているか、わかるはずです。

これからもいまの感謝の気持ちを忘れずに、
成人式までの10年、自分という人間を知って、それに立ち向かってください。
「人間は変わっていくもんだ」といつか言っていましたね。
その通り!勇気をもって、この先の人生を戦ってください。
そしてまた、驚きと感動に満ちた姿を見せて下さい。
ママはずっと応援しています。



ソウタははずかしそうだったが、うれしそうだった。
担任教師も泣いていた。
いつもは話しかけられない、お母さんから話しかけられた。
他のこどもたちには自分のことのように、
ほんの少しでも感じてくれただろうか。

その後のソウタの話では、
横にいた友達のひとりが、「俺もご飯、たきたてじゃないとやなんだ」と
言ったという。

二分の一成人式では、
手紙を読むのがメインというわけではない。
主には生徒たちによる学習発表会のようなもので、
縄飛びや歌など、いままで練習してきたものを、
親の前で発表し、未来への抱負を宣言するというものだった。

それぞれが、習字で書いた「将来の夢」を掲げ、
「わたしは○○になる!」「ぼくは△△になりたい!」と
次々に声を響かせている姿は、とても微笑ましく、
きらきらと輝いていて、美しかった。

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Comment

のち子 | URL | 2011.03.07 14:46
心打たれました!!
そうたくんにとって、この手紙も、その時間も、
きっと忘れられない宝物になっただろうね!
ブログ書いてる人 | URL | 2011.03.08 12:16
ありがとう~~
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