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夏の読書感想文 其の2

夏休みは半分から後半は光のごとく一瞬だった。
後半の方が早く過ぎるんじゃないかな。
まずい。もうこんな暑さのまま九月に突入だよ。

8月に読んで印象に残った本:

【さいえんすとか】

「ウィルス感染爆発」 NHK「エボラ感染爆発」取材班

いままで読んだ感染症の本の中で最もハラハラし、
フィクションのような可笑しさが随所にあった。
下手なSFより、ノンフィクションの方がよっぽどおもしろいとも実感した。
内容は、1995年にアフリカのザイールで起きたエボラ出血熱による感染被害の記録をまとめたもの。
取材陣による時系列を追った詳細な記録を一般の人にも読みやすい文章で書かれており、
アフリカの奥地で感染症が起きた場合、どのような経路をたどって
真実が明らかにされるかがよくわかる。
一番恐ろしかった部分は、感染者の血液をポーランドに飛行機で輸送した場面で、
中身を知らせずに人から人へ頼みごとを繰り返しつつ、海を越えていったのには震撼した。


「NHKスペシャル 最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖」 NHK「最強ウィルス」プロジェクト

エボラウィルスのケースを読んで、
今度はインフルエンザ(H5N1)の場合はどうだったのか知りたくなって
この本を借りてきた。
が、鳥インフルエンザが発症からどういう経路をたどって行ったかという内容は
第一章だけにとどまり、後半は殆ど各国のインフル対策の話だったため、
「ウィルス感染爆発」ほどのインパクトはなかったが、
最もインフル対策が進んでいる米国の例は参考になる本ではあった。


「マンガ種の起源」 田中 一規

マンガだと思って甘く見るなかれ、
著者の田中氏がハーバードにMITという経歴の持ち主だからか、
わかりやすい構成力と内容(マンガの絵も著者が書いてるというからすごい…)
前半はダーウィンの生い立ちから始まって、
『ヒトをつくったのは神か進化か』
その最大の謎を探るべく、南アメリカ大陸、ガラパゴス諸島への航海を経て
進化論が生まれるまでを描き、
後半は、進化論そのものと、現代生物学の知識や問題点なども合わせて、
その内容を説明していく。
わたしは改めて進化論の知識が欠落している事に気がついたのであった。


【小説とか】

「人情裏長屋」「雨あがる」 山本 周五郎

何を隠そう、時代小説は食わず嫌いの読まず嫌い。
こんなわたしが時代劇を書かなければならず、読んだのが山本周五郎。
いままで全然歴史もの読まなかった自分を反省しろ!恥じろ!
山本周五郎先生は小説家というより劇作家のような気がした。
実際、ドラマ化映画化された作品は数知れず…
凝縮されたドラマとキャラクターが冴える。泣ける。

人情裏長屋に収録されている「雪の上の霜」と「雨あがる」に出てくる
伊兵衛とおたよの夫婦がおかしくもかなしい物語があって、
いつまでもこの二人を見ていたいとしみじみ思った。
著者の書く、不器用だけど芯は曲がってなくて、曲げられない信念のために
社会と折り合いが付けられない庶民達の姿を見ていると、
江戸時代が良き時代と言われる理由がわかった気がした。


「黒薔薇」 吉屋 信子

中島京子著「小さいおうち」の中に出てくる
黒薔薇(くろしょうび)という小説が気になって読んでみた。
吉屋信子さんが昭和初期当時、書くことに関して様々な思いを抱えつつ
その中で発表した意欲作。
おそらく問題作扱いされていたのではないだろうか。
でも少女達はきっと喜んでいただろう、
女学校の若き女性教師と少女との恋愛を描いた物語。


【児童書とか】

「ともだちは海のにおい」 工藤 直子

お茶と運動がすきなイルカと、ビールと本がすきなクジラの友情物語。
クジラは時々、小説や詩を書いて暮らしている。
クジラの書く「詩」はリズム感、ことばの韻が読んでいて気持ちがいい。
見せ場はクジラがパリに行くところだろうか。
フランス語まじりの手紙は最高に可笑しい!


「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 森 絵都

シューマン、バッハ、サティの三つの曲をモチーフにして、
少年少女の成長物語を描いた三つの短編集。
わたしは最後の表題と同じピアノを習う中学の女の子の話が一番印象に残った。
ピアノの先生のおとなの事情と、中学生から見たこどもの事情が絡み合って、
わたしもかつては毎週のようにやってくる「練習」のことを度々思い出し、
今になってまた、ピアノを弾こうかと思い悩み始めた。


【マンガとか】

「ドントクライ、ガール」 ヤマシタトモコ

最近、本屋でヤマシタトモコさんの本をよく見かける。
イマ一押しの作家なんでしょう。
女子高校生の主人公が父の知人である男(社会人だけど裸族)と
同居することになってしまうという、インパクト大のお話。
裸族(家の中では全裸の人)である男と周囲の変人に翻弄されていく主人公が面白おかしく読める。
一応、結婚の決意?らしきところまで書かれているんだけど、結婚の話題が唐突。
もっとふたりの関係をしばらく見ていたかった気もするので、
これで終わりとはもったいない。


「ひらひらひゅ~ん」 西 炯子

西さんは昔から結構弓道ネタを描いていて、
再び弓道ものなのか~と思って、最初はあまり関心がなかったのだけど、
描かれているのは、弓道部というより、部員達の群像劇。
おもしろ恋愛ネタ。
笑いとシリアスが半々くらいでバランスが絶妙!
三巻まで出てて、三巻になると「部活動」の話になってくるので、
やはりここは部員達のキャラで展開していく話に戻ってほしい気がした。

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