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夏の読書感想文 其の1

夏休みも半分過ぎた。

夏の市立図書館には、いつも元気な幼児から小学生、
明らかに暇を持て余してダラダラしにきている中学生とか、
何をしているかわからないおじさんとか(これはいつもの事か)、
私のような暇人とかがいて、
いつもよりこどもの占有率が高い。
小学生も一著前に机で朝から宿題のドリルとかをやっているし、
歩きたての赤ん坊も、ラックに並んでいるCDを見て、むにゃむにゃ言いながら
端から床に落としたりしているので、いつもと違う風景が眺められるは楽しい。

夏休みの宿題に出される「読書感想文」は、本の感想を書くものではないらしい。
本を通して己の生活の中で感じたことを書くものらしい。
いまさらそんなことを言われたら、読書感想文、という言葉をやめて、
読書生活文とかに変えるべきだ!とか抗議したくなる。
読書によって自己を客観的にみつめ、
すらすらと文に起こせる小学生なんて本当にいるのだろうか。


これは素直にただの感想。
しかも、読んだ端から忘れていく記憶力をとどめるためのメモである。

7月に読んで印象に残った本:

【さいえんすとか】

「七つの科学事件ファイル」H・コリンズ+T・ピンチ著 福岡伸一訳

科学の歴史の中で起こった重大事件7つについて語られている本。
「記憶は移植できるか?」
という課題に取り組んだ1950年頃から始まった研究は印象的。
プラナリア(自己再生する生物)を訓練させて、半分にちょん切り、
記憶物質が「身体」と「頭」のどちらに残るか調べるという。。。
研究に真っ向から非難する論争のドラマ。
重箱の隅をつつくような科学論争には終わりがなく、
その皮肉ともいえる、研究のあり様が何とも現代に通ずる哲学のようなものと
感じさせてくれた。


「マリス博士の奇想天外な人生」キャリー・マリス著 福岡伸一訳

福岡先生の昔の本を読みあさることにして、この二冊目。
先生が文章がうまいのは昔からのようである。訳であっても読みやすい。
この本は、分子生物学では欠かせないPCR技術を発明し、
ノーベル賞を受賞したキャリー・マリス氏の自伝である。
研究者の変人ぶりを自ら証明しているような本である。
本人で書いているだけあって、ボケがあっても突っ込みはない。


【小説とか】

「鉄の骨」池井戸 潤

NHK総合で先日まで放送していたドラマの原作。
原作読んでからドラマ観ようと思って読んでみたのだが、ドラマの方が面白いと感じた。
建設業界で談合に関わることになってしまった若手社員の物語。
社会派ドラマのモチーフとしては興味深いのだが、
主人公が周囲に振り回されっぱなしで話が進んでいくので、
最後はオチがあるけれども、やはり主人公が何かをやり遂げるべきではなかったか、
と思えてならなかった。


「魔法使いの弟子たち」井上 夢人

未知のウィルスによる感染事故が発生し、生き残った主人公(週刊誌の記者)が、
後遺症として超能力を獲得するというSFファンタジー。
感染症のことやウィルスパニックの部分はすごくリアリティがあるのに、
後遺症が超能力(相手の過去や未来を見ることができる)というところが、
B級映画っぽすぎて、マスコミや警察を使って騒ぎ立てている感じが、
どうしても好きになれなかった。


「神様のカルテ」夏川 草介

図書館で予約待ちがいっぱいで、新聞でも度々取り上げているので
読んでみることにした。
不思議な雰囲気を醸し出した本。
きっと著者が不思議な雰囲気をもった人なのだろうと想像させる。
信州の地方病院に勤める若手医師が、普段の生活の中で医者とは、死とは、
と静かに見つめあっていくのを丁寧に書いた作品。
新人賞受賞作。毎回思うけど、医者で作家なんてずるい。


【新書とか文庫とか】

「世界の野菜を旅する」玉村 豊男

身近な野菜から世界中の野菜に関することについて、
今まで持っていなかった視点や知識をもたらしてくれた。
何しろ、食に疎いわたしには、刺激があった。
すきな文章の感じ。
普段食卓にあがる野菜が歴史的にどう生まれてきたか、
世界をどう渡ってきたか、なんて真面目に考えたこともなかった。
ポルトガル料理が本気で食べたくなった。
まだ実現していないけど。
著者の上田にある農園&レストランにも是非足を運んでみたい。


「すべてのいのちが愛おしい」柳澤 桂子

小学生の孫に宛てた手紙の文章の中に生命に関する、
ちょっとした事を織り交ぜながら展開してく詩のような本。
小学生の娘に向けて書かれているだけあって、
やさしくやわらかく書かれているけれど、
わたしの中にすでにある知識が邪魔してか、新しい感覚を感じることができなかった。


【マンガとか】

「同級生」「卒業生」 中村 明日美子

知ってたのに何ですぐに読まなかったのかとひどく後悔した本。
すごくよかった。BL(ぼーいずらぶ)の本なので
好きじゃない人は読まない方がいい。
しかしBLとかそんなことはどうだっていい!と感じさせるほど
シーンのひとつひとつ、コマ割りの感じが、青春と恋愛を
しんしんと迫ってくる。素敵だった。
ハラセンという教師が最高。


「flat」 青桐 ナツ 

料理好きのマイペース高校生・平介と無口で純粋な幼児・秋君のやりとり
+その周囲の人々を描いた物語。
ふたりのやりとりは、クスリと笑える感じに描かれていて、
この人、子供をわかっておるな、と感じさせてくれる。
しかし周囲の友達キャラはまだまだフラフラしていて、
作者の未熟さを表わしているんだけど、それもまた愛嬌かなと思って読んだ。
秋君が他人のうちの風呂を掃除しちゃうのとか、いいよね。


「哲学男子」 ポストメディア編集部

ツイッターで知って衝動買いした本。
哲学の偉人達を、キャラ化して、四コマとくだけた文章で彼らの思想までもを
2ページから4ページで簡潔に紹介してしまうというある意味すごい本。
哲学のプロではないので、何が正しくて間違っているとかが指摘できないけど、
わかりやすかった。
キャラクターのデフォルメがマンガらしくて、
わたしはパスカルの禁欲主義を笑ってしまった。


読書感想文 其の2に続く

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