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撮影現場。 その2

2回目の撮影は主に研究室での実験風景。
先月引越しを完了したばかりの新しい、研究室で、冷凍庫からの検体取り出し、組織の薄切、LCMでのがん細胞の切り出し作業を撮る。

LCMというのはレーザーマイクロダイセクションという装置で、スライドガラスに、薄く切り出した組織を乗せて顕微鏡で拡大する。拡大した組織の画像は、モニターに映し出され、モニター上をコンピューターで操作しながら、タッチペンのようなもので、必要な領域を囲む。ペンで囲まれた領域は、スライドガラスの上でレーザー光が走り、チューブの蓋の裏側に落ちるようになっている。

器官によって異なるが、組織を構成している細胞は、均一に単一の細胞で成り立っているわけではなく、がん組織であっても、がん細胞や正常細胞以外にも様々な繊維や細胞が混じっているので、分子生物学的な実験では、厳密にがん細胞だけを取り出す必要性があるのだ。

がん細胞内の“状態”を調べることが目的なので、がん細胞だけを必要量集めてきて、DNAやRNAを抽出する。抽出するDNAやRNA量は、実験にある程度の量を必要とするため、複数の細胞を切り出しているが、もう少し厳密なことを言えば、個々の細胞はそれぞれ状態が異なってるため、異なった細胞の状態のものを一度に見ていることになる。もう少し技術が進めば、単一の細胞内の状態のみを調べる方法も確立されてくるかもしれない。

お料理番組のように、抽出したRNAはDNAマイクロアレイにかける振りを行い、Affyの実験、データと解析作業の絵をいくつか撮り、最後は先生のコメントを入れ込んで終了。先生のセリフを事前に考えておいたわけだが、実際に本番になると、言い回しにおかしいところがあったり、別の撮影場面でも台本を直さないといけない時があり、自分の書いた言葉の重さを思い知らされたのであった。だって、撮影が始まってしまえば、台本どおりに進めようとするため、基本的に見直したりはしないから・・・

作業をお願いした会社の方に、「以前に撮影現場に携わったことってありますか?我々の動きをすごくよく把握しておられる。カット割とかもちゃんと分かってますね」と言われた。現場経験は初めてであったが、その時は、なんだかとても嬉しかった。でも、いくら自分がそれに対して、興味の度合いが強く、うまく立ち回れたとしても、実際にそれを生業としている人にはとても叶わない向こう側の世界であることには変わりなかった。それを実感したとき、やっぱり少し寂しい気持ちになるのだった。

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