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撮影現場。

朝、いつもより2時間早く起きて職場へ向かった。病院の朝は早い。本当に感心する。
いつもの建物にたどり着くと、ワゴンから機材を降ろしているカメラマンの人と目が合った。精一杯眠い目を開けて挨拶する。今日は撮影初日。
プロジェクト説明用動画を撮影するため、通常業務を逸脱してこの仕事をすることになった。あーあ、本業の仕事が終わってないのにね。
事前に台本、スケジュールはなるべく詰めたものの、半分くらいぶっつけ本番だった。
まずは病棟に行って、昨日突然任命された外科医の先生と簡単に打ち合わせした。キャストもちゃんと決めてなかったから、いきなり、患者役を自分がやらなきゃいけなくなった。
先生のおかげで、問診、CTのフィルム、血液検査のイメージを無事、撮影する。
人のシーンを撮るときよりも、モノ撮っている時の配置や光の当たり具合、アングルなどのこだわりは、すごく色んな絵を撮る為には必要なんだな、なんて改めて感心してしまった。デッサンするときみたいに、どこに光が当っていて、どんな雰囲気を醸し出しているか、ちゃんと見てるのだ。

それから、病棟内の会議室で次なるシーンの撮影。部屋の二つの角を使って、いかにも別室にいるかのようなシーンを取る。部屋は机と椅子だけでなく、周りに絵として不自然なものもあって、それらを勝手にどかして、自分のイメージに合うように作っていくディレクターの人に感心してしまった。
病院内で、勝手に何かを動かしたり、許可なくやることの恐ろしさを知っている自分としては、度胸ある行為だった。ま、元に戻せばそれでいいのだ。
医師と患者、CRCと患者が話をしている所を、様々な角度から撮影していく。

手術は朝から開始されていて、組織が摘出されるところおよび手術風景を撮ることにしていた。手術場だけは、自分ではどうすることもできない。先生に協力を得て、何とか、2年ぶりの手術場侵入に成功。点滴、手術シーン、先生の表情、検体採取の風景を無事撮り終える。急遽、この仕事に付き合う羽目になった外科の先生は終始、「俺は今日これをやる予定じゃなかった」と文句をこぼしながらも、最後まで付き合ってくれた。
看護婦さんとの楽しそうな会話も、他の先生との交渉術や雰囲気も医者を醸し出していて、先生を撮ったら面白いのにと思ってしまった。

組織写真の撮影や標本整理をする部屋。暗く、臓器がいっぱい置いてある危険な部屋。
スタッフの明らかに気持ち悪いといった表情が同情を誘う。取り出してきたばかりの組織を病理の先生に切ってもらう。病理部やら別の科の先生やらがたくさん集まってきて、狭い部屋はあっというまにいっぱいになった。
病理の先生方は外科の雰囲気とは対照的に温和で、和やかだった。
撮影していると野次馬みたいに、人がたくさん集まってきて、くすくす笑っている。教授も「イケメンを用意したぞ!」と乗り気なのだ。自分が映りたいからと言って、張り切る教授がとても可愛らしかった。
病理顕微鏡でのシーン。組織細胞の絵。カルテへの病理診断書の入力。すべて撮り終えて、終了。休みなく、普段のデスク仕事とは違って慣れない立ち仕事にヘトヘトだった。体力勝負の仕事だなぁ、と思った。

午後3時を回ったころ、スタッフの人とラーメンを食べに行った。
ラーメン屋のカウンターで7人並んで食べた。ラーメン屋は久しぶりで、疲れていたこともあって、皆無言でラーメンをすする音が響いた。その味がお腹に染みて、私はしばらく放心した。

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