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学食の味

入院したらどこにも行けなくなってしまう、と思い、パパをどこかへ連れ出そうと考えた。
「どこに行きたい?」と聞くと、「とくにない」と即答。興味なしかよ!
ま、いつものことだけど。自分がしたいこと、ほしいものをあまり外に表そうとしない。
あえて好きなことを考えてみると、「必要最小限のことを合理的に進める」こと。
節約や家事も大好きだ。部屋をちょっと出るだけで電気を消される始末。
そんなパパをどこへ連れて行こうか。
リッチなレストランで無駄使いするとか、豪華で装飾の多い遊び場所なんてちっとも行きたいなんて思わないのだ。
人望の多い相談役に私も相談してみたら、大学なんてどう?って言われたので暫くぶりのキャンパスに行くことにした。

学食

猛暑の中、新しく建てられたキャンパスを通って、見慣れた校舎を見つけては、これはあーだとか、あれはあーだったとか会話しながら散歩した。時々休みながら。敷地内の一番端まで歩いてきて、自分達が住んでいた校舎の前にある学食に入った。偶然だったけど、その日はオープンキャンパスの日だった。

学食は何も変わらず、メニューも同じだった。彼はいつも食べていたという定食の食券を買った。私はあまり食べたことのないハンバーグを選んだ。
味はやっぱりいまいちだった。こんな味だったのか。こんなに味わって食べたことなんてなかった。学生のときもここでこんな風に一緒に食べたことなんてなかった。

それから、校舎の中に堂々と入っていて、研究室の前を通って覗いたりしてあまり変わってないことを確かめて、それから、知らないふりをして、展示員と話したりした。そこに知人はいなくても、その場所はずっとあってどんどん受け継がれ、進化していっている大学を誇らしく思った。

どうやらデートは成功したらしい。パパは時々楽しそうに笑顔をこぼしていた。

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