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夏の読書感想文 其の2

夏休みは半分から後半は光のごとく一瞬だった。
後半の方が早く過ぎるんじゃないかな。
まずい。もうこんな暑さのまま九月に突入だよ。

8月に読んで印象に残った本:

【さいえんすとか】

「ウィルス感染爆発」 NHK「エボラ感染爆発」取材班

いままで読んだ感染症の本の中で最もハラハラし、
フィクションのような可笑しさが随所にあった。
下手なSFより、ノンフィクションの方がよっぽどおもしろいとも実感した。
内容は、1995年にアフリカのザイールで起きたエボラ出血熱による感染被害の記録をまとめたもの。
取材陣による時系列を追った詳細な記録を一般の人にも読みやすい文章で書かれており、
アフリカの奥地で感染症が起きた場合、どのような経路をたどって
真実が明らかにされるかがよくわかる。
一番恐ろしかった部分は、感染者の血液をポーランドに飛行機で輸送した場面で、
中身を知らせずに人から人へ頼みごとを繰り返しつつ、海を越えていったのには震撼した。


「NHKスペシャル 最強ウイルス―新型インフルエンザの恐怖」 NHK「最強ウィルス」プロジェクト

エボラウィルスのケースを読んで、
今度はインフルエンザ(H5N1)の場合はどうだったのか知りたくなって
この本を借りてきた。
が、鳥インフルエンザが発症からどういう経路をたどって行ったかという内容は
第一章だけにとどまり、後半は殆ど各国のインフル対策の話だったため、
「ウィルス感染爆発」ほどのインパクトはなかったが、
最もインフル対策が進んでいる米国の例は参考になる本ではあった。


「マンガ種の起源」 田中 一規

マンガだと思って甘く見るなかれ、
著者の田中氏がハーバードにMITという経歴の持ち主だからか、
わかりやすい構成力と内容(マンガの絵も著者が書いてるというからすごい…)
前半はダーウィンの生い立ちから始まって、
『ヒトをつくったのは神か進化か』
その最大の謎を探るべく、南アメリカ大陸、ガラパゴス諸島への航海を経て
進化論が生まれるまでを描き、
後半は、進化論そのものと、現代生物学の知識や問題点なども合わせて、
その内容を説明していく。
わたしは改めて進化論の知識が欠落している事に気がついたのであった。


【小説とか】

「人情裏長屋」「雨あがる」 山本 周五郎

何を隠そう、時代小説は食わず嫌いの読まず嫌い。
こんなわたしが時代劇を書かなければならず、読んだのが山本周五郎。
いままで全然歴史もの読まなかった自分を反省しろ!恥じろ!
山本周五郎先生は小説家というより劇作家のような気がした。
実際、ドラマ化映画化された作品は数知れず…
凝縮されたドラマとキャラクターが冴える。泣ける。

人情裏長屋に収録されている「雪の上の霜」と「雨あがる」に出てくる
伊兵衛とおたよの夫婦がおかしくもかなしい物語があって、
いつまでもこの二人を見ていたいとしみじみ思った。
著者の書く、不器用だけど芯は曲がってなくて、曲げられない信念のために
社会と折り合いが付けられない庶民達の姿を見ていると、
江戸時代が良き時代と言われる理由がわかった気がした。


「黒薔薇」 吉屋 信子

中島京子著「小さいおうち」の中に出てくる
黒薔薇(くろしょうび)という小説が気になって読んでみた。
吉屋信子さんが昭和初期当時、書くことに関して様々な思いを抱えつつ
その中で発表した意欲作。
おそらく問題作扱いされていたのではないだろうか。
でも少女達はきっと喜んでいただろう、
女学校の若き女性教師と少女との恋愛を描いた物語。


【児童書とか】

「ともだちは海のにおい」 工藤 直子

お茶と運動がすきなイルカと、ビールと本がすきなクジラの友情物語。
クジラは時々、小説や詩を書いて暮らしている。
クジラの書く「詩」はリズム感、ことばの韻が読んでいて気持ちがいい。
見せ場はクジラがパリに行くところだろうか。
フランス語まじりの手紙は最高に可笑しい!


「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 森 絵都

シューマン、バッハ、サティの三つの曲をモチーフにして、
少年少女の成長物語を描いた三つの短編集。
わたしは最後の表題と同じピアノを習う中学の女の子の話が一番印象に残った。
ピアノの先生のおとなの事情と、中学生から見たこどもの事情が絡み合って、
わたしもかつては毎週のようにやってくる「練習」のことを度々思い出し、
今になってまた、ピアノを弾こうかと思い悩み始めた。


【マンガとか】

「ドントクライ、ガール」 ヤマシタトモコ

最近、本屋でヤマシタトモコさんの本をよく見かける。
イマ一押しの作家なんでしょう。
女子高校生の主人公が父の知人である男(社会人だけど裸族)と
同居することになってしまうという、インパクト大のお話。
裸族(家の中では全裸の人)である男と周囲の変人に翻弄されていく主人公が面白おかしく読める。
一応、結婚の決意?らしきところまで書かれているんだけど、結婚の話題が唐突。
もっとふたりの関係をしばらく見ていたかった気もするので、
これで終わりとはもったいない。


「ひらひらひゅ~ん」 西 炯子

西さんは昔から結構弓道ネタを描いていて、
再び弓道ものなのか~と思って、最初はあまり関心がなかったのだけど、
描かれているのは、弓道部というより、部員達の群像劇。
おもしろ恋愛ネタ。
笑いとシリアスが半々くらいでバランスが絶妙!
三巻まで出てて、三巻になると「部活動」の話になってくるので、
やはりここは部員達のキャラで展開していく話に戻ってほしい気がした。

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水族館のお泊りナイトツアー

数年前は新江の島水族館くらいしかやっていなかったのに、
最近はどこの水族館も「お泊りナイトツアー」をやっているらしい。
その名の通り、水族館に泊るのです。

このイベントは調べると他の水族館でも結構やっていて、
水族館には“まねしんぼ”文化があるって本当なんだなと実感した。
どこかの水族館で何か新しいことを始めて成功すると、
他の水族館も必ず「うちもやろう」という事になるんだって。

前にも書いたけど、わたしの水族館知識のうけうりは全部、
中村元著の「水族館の通になる」(祥伝社)にある。

最初、「えのすい」こと「新江の島水族館」の
お泊りナイトツアーに往復はがきで申し込んだ六月。
いとも簡単に落選。
「定員70名の所、約五倍の応募数がありました」と返信はがきが。

これで懲りず、次は八景島シーパラダイスと両方ダブルで出して、
ようやく、えのすいのツアーに当選したのだった。(八景島は落ちた)

ツアーにはおとなだけのコースとか、
親子とか、こどもだけとかいろいろあるけれど、
私達は親子ツアーの「ペンギンに餌やりする」回に参加した。

【午後四時過ぎ】
水族館に到着して館内を見学。
これは通常の見学と同じね。
お泊りツアーのメンバーはパスで入れる。
集合時間の六時まで時間があったので、
少しだけ、江の島の海を眺める。
黒い人。ちゃらちゃらした人がいっぱい。

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【午後六時過ぎ】
水族館が閉館し、誰もいなくなった館内に再度入館。
さっそくペンギンの餌やりをやることに。
できるのはこどもだけ。
二匹のししゃもをペンギンに与える。

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こどもが魚を入れたバケツを持ってペンギンに近づくと、
オレンジ色のタグを付けたペンギンが毎度ししゃもを横取りし、
外野は「あーーーっ、またアイツが食べたー!」とそればかり。
でも、殆どのペンギンは傍観。
餌に目もくれず、泳いでるやつとか、近づこうとしないやつとかもいて、
ペンギンってやつは、そんなに強欲じゃないのね。
と感じたのだった。

【夜七時頃】
夕食。
えのすいには「相模大水槽」という一番大きな水槽が
館内の真ん中にドーンと大きく陣取っていて、
これがすばらしく美しい水槽なのだけれど、
この水槽の前にブルーシートを引いて、ここでお弁当を食べた。(寝るのもここ)
お弁当はロコモコ丼。

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【夜八時頃】
ナイトツアー開始。
親子合わせて全部で50名くらいを3つのグループに分けて、
それぞれ、水族館員のベテランの人がついて、
夜真っ暗になった水槽を周りながら説明してくれるのだ。

水族館員の人は皆おじさま方で、
いかにも理系のもの静かな感じの研究者風の人ばかりで、
私達を担当してくれた人は、何だかすごく優しい目をした人で、
歳は六十くらいだろうか、
動物や魚達にかけている愛情というのが性格からにじみ出ているような人で、
彼の話を聞いているだけで、とても和やかな気分になれた。

で肝心の内容。
まず、メインの相模大水槽には中に大きな岩があって、
この岩場の形は、実際にダイバーが相模湾を潜り、
構造を見て同じになるように、再現して作ったのだという。

魚の「縦じま」とは、
魚の顔を上にして縦に線が入っている模様のことを言う、
などの雑学を交えながらの観賞。
くらげの飼育に最初に成功したのもえのすいだって言っていた。

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一番の見どころは、「眠っている」魚達や動物達を感じることができるところ。

サンゴ礁の入った水槽に山のように居た熱帯魚達は一斉に姿を消していたし、
大水槽の中の魚達の動きもややゆっくりになったように思える。

エイは昼間はそれぞれ自由に泳ぎ回っているが、
夜になると岩棚に集まって眠る。

ペンギンはうつ伏せで、
イルカは浮き沈みしながら呼吸をするためにフアフアと水面をたゆたっていた。

オキドンドウというクジラにそっくりのイルカが、
水族館員の説明の声で目を覚ましてしまい、スーっと場所を変えて
またねむりこけていたのには笑えた。
本当にプールの流れに身をまかせて浮いているんだもの。

【夜九時頃】
ブルーシートに戻ってきて、今度はペンギン先生の話。
約一時間ほど、ペンギンのアレコレをパネルを使ってお話してくれたのだけど、
この日、実は朝から水鉄砲とスイカ割りをやった日でもうヘトヘト。
ここまで眠らずやってきたが、さすがに疲れてきた。
座って話を聞いていると、意識が遠のいて…

【夜十時過ぎ】
消灯。
ようやく寝床につける。
ブルーシートの上に持参した薄いマットにタオルケットをかけて眠った。
寝袋持参なのです。毛布は500円で貸してくれる。

【夜中】
疲れていてすぐに眠ったようだったが、
度々目を覚ました。
館内は冷房が効いていて、
いつも冷房点けず眠っている私にとってはちょっと寒かった。
起きるたびに目の前の水槽を見て、
しばらくボーっとし、再び寝る、ということを繰り返した。

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【朝六時半】
起床。
身支度を整える。

【朝七時半】
朝食。
出された朝ごはんは、クルミパンにペンギンパン(中はチョコ)、
ヨーグルトにバナナ、オレンジジュースだった。
朝の海岸を見ながら潮風に吹かれながら食べた。

【朝八時】
ペンギンと写真撮影。
プロのカメラマンが親子ごとに撮ってくれた。

【朝八時半】
退館。
参加賞の賞状とさっき撮った写真をもらう。
解散。今日も暑くなりそう…。

【朝九時】
次の日も水族館にはパスで入れる。
「もう一回行く!」とソウタが言うので入館。
観てないところを周った。
ただ同じ所を同じように観るのもあれなので、
えのすいのパンフにあったクロスワードパズルをやった。
海にいるうなぎ、8本のヒゲがある魚の名前がわからず、
苦戦したが見逃してただけだった。
「ゴンズイ」

【朝十時】
イルカプールでショーをやるので見に行く。
昨夜、あんなに無防備に眠っていたオキゴンドウが
元気にジャンプしているのを見て、
疲れていたが、ちょっと楽しい気分になった。

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水鉄砲とスイカ割り

連日のイベントごとで体が疲れ気味…
旅行から帰ってきて早々、水鉄砲大会&スイカ割りが待っていた。

こども会の夏の行事。
水鉄砲やりたいって言ったのは私だっけ。
準備した水鉄砲は、ウォーターガン・ピクシーという単価204円のやつ。
予定参加者が50人だったから、12個入りを5個注文して名古屋からネットで購入した。

巨大な段ボールが家に届いて、開けてみたら、
予想以上の大きさに驚いた。写真では大きくなさそうだけど、横幅28センチもある!
飛距離は勢いがあれば1.5メートルくらい。
でもやっぱり、200円の水鉄砲だから、出が悪くてすぐ壊れるものもあった。

夏のお楽しみ会

水鉄砲のルールは、色別に3チームつくり、
各チームの陣地に設置された的を守り、相手の陣地の的を狙うというもの。
朝から、学校の石灰を借りて、陣地作成の白線を引いた。

こんな風に段ボールに穴をあけて金魚すくいのポイを設置。
各チーム8つのポイを守る。
5分もすれば、どのチームも全滅だった。

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こども達は広く作りすぎた陣地間の中で真剣に戦っていた。
ホースでまいた水はすぐに乾いたが、水をまいているだけで少し涼しくなった。

スイカ割りでは割るためのスイカを三つ用意した。
打ち合わせでは、食べる用と割る用のスイカをいくつどこで買うか、どこで保存するか、
どうやって持っていくかなどが議論になった。

私達は割る用のスイカを安いスーパーで事前に購入し、
食べる用のスイカは少し高いスーパーで事前に予約。
スマイルカットしてビニール袋に入れてもらう事をスーパーに交渉した。
食べる直前までスーパーの冷蔵庫でキンキンに冷やしておくという
まさしく食べるためのスイカ割りを用意周到に準備したのだ。

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スイカ割りは、予想以上にもりあがった。
何しろスタート地点からスイカまでの距離は10メートルくらいあり、
目隠して体を回転させられると、もうあさっての方向に歩いて行ってしまう。
暑くて応援する側もボーっとしてるから、変な方向に歩いていく人をそのまま放っておいたりして。

「こっち!こっち!そっちじゃない!」

などと言って、挑戦者を混乱させ、
右だとか左だとかたくさんの声の中で何を信じていいかわからず、
右と言っているのに左に行ったりし、あたふたする様子はおかしかった。

最後は冷えたスイカをそれはそれはおいしそうに食べるこども達の姿は輝いて見えた。
写真を見せられないのが、本当に残念なくらいの、満足げな顔だった。

二年生くらいの男の子が真面目な顔で

「塩はないんですか?」

と聞いてきたのには笑った。
会長は「ごめんねーないんだー」と真面目に答えていたが
私はひとりで大笑いしていた。

豊島

豊島は港もあれば、砂浜もあり、田園もあれば、棚田もあり、少し場所を変えるだけで
見えてくる景色が全く違う。いろんな顔のある島。
わたしはこの映画の中の風景のような島に「もう一度来よう」と勝手な決意をしていた。

豊島で最も印象に残った作品は
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー氏の
インスタレーション、《Storm House》(作品#24)だ。
民家の中で床の間のある畳の部屋にバケツと扇風機。
中は薄暗く、蒸し暑いけれども、縁側の窓を見ると大雨が叩きつけられるようにして降っている。
激しい雷。吹き荒れる風。雨は時間とともに激しくなり、電気はショートする。
その時間、ずっと窓を流れる雨粒を見ながら、自分はどこかへ飛んで行ってしまった。

自然の中にあって静かな場所であればあるほど、観賞者の五感は研ぎ澄まされて、
音を奏でる作品は際立って鮮烈な印象を与えるのではないかと思った。

作品の「隣」の家のツル屋敷。
あまりにもこの繁っぷりがすばらしかったので披露。
島々にはこんな風にあまりも多くの廃屋があちこちにあり、それを利用して作品は展示されている。

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下の写真はトビアス・レーベルガー《あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする》の店内。
ここはカフェでランチをするならここがよかったと入店してすぐさま後悔した。
何しろ、豊島は食べるところもなければ、お店も殆どないと思っていたので(地図に載ってない)
持参したおにぎりをベンチでパクパクすることにしたのだが、
各作品の点在する場所には、必ず一か所くらいは飲食店があった。

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唐櫃浜について自転車を借りて(1時間100円)、
クリスチャン・ボルタンスキー《心臓のアーカイブ》まで走った。
ここは平坦だから楽に走れた(徒歩でもいい)。
砂浜が美しい場所に立つこの黒い建物の中では、ずっと誰かの心臓が鳴り響いている。
どこかのだれかの生きている人の心臓音。
展示室は怖くて長居できなかった。自分の心臓の音も録音できて作品の一部になることができる。

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すぐお隣の大阪芸術大の《ノリたゆたう》もよかった。
夏休み中の大学生達が丁寧に説明してくれる。ゆったりとねころんで暑さを忘れるひととき。

ここは藤浩志《こんにちは藤島八十郎》の作品。
趣のある家の入り口。蔓植物の絡まり具合がいい(こればっかり)。

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中は架空の人物(絵本作家)「藤島八十郎」を想像し、
彼の暮らす生活空間をつくったのである。
こんな暮らし素敵だと思うのはわたしだけではないはず。

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横尾忠則氏の民家の庭先、そして中は彼の絵画作品の展示で、
民家ごと美術館としたような空間の使い方がよかった。
赤く塗られた岩は血液とか地獄を連想させる。

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最後はさわやかに。棚田にある田園風景の中に溶け込んだ作品。
この作品に辿りつくまでが大変だった。
歩いただけあって、着いた時の解放感は見晴らしのいい海の見える景色とともに観賞できる。

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豊島はレンタカーがあれば楽に回れる。(中央に大きな山があるので、登るのはキツイ)
バスでも観賞可能だけど、のんびりしてたら丸一日かかってしまう。
バスも本数が少ないのでちゃんと時刻を確認して行動したほうがいいので
これから行く人は、ご計画をしっかりと。
涼しい方が俄然、観賞には楽だろうな…。


男木島-直島

男木島の入り口には白のジャウメ・プレンサ《男木島の魂》が輝いていた。
これは案内所。芸術祭では各島やポイントとなる場所に案内所があり、
スタッフが常駐し、作品の観賞ルートや交通案内などを教えてくれる。

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男木島は切り立った崖の山のような島で、
断崖に木造の家家が立ち並んでいて、細い路地を徒歩で進んでいく。
朝から厳しい日射しに晒されながら歩く石の道に、
すっと海風が吹いてくる。
その団扇で扇いだ様な優しい風が肌に心地よくて立ち止った。
ここは風の通り道なのか。
道沿いに並ぶこの作品のビニールのカーテンがひらひらと揺れて、
しばらく眺めていた。

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暑さをもっとも和らげてくれたのは、
松本秋則氏の《音の風景》であった。
近づくとカコカコカコ……と聞こえてくる竹の調べ。
音を聞いているだけで涼しげな気分になった。

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松本秋則氏の作品
http://www.matsumotoakinori.com/Site/matsumoto_akinori.html

夏といえば怪談…
別の意味で寒くなる怖い作品だった。
男木島にある豊玉姫神社を祭った安産の神様から着想を得たとある
北山善夫氏の作品のひとつ。

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生まれてくる人間の陰には、多くの人の死があり、
生まれてきた人間の中のにも、不幸な死に至る人がいることを
強く表わしていた作品であった。

男木島から直島に高速船で渡って宮浦港に着いたのは正午くらいだった。
二度目の直島は以前来た時よりも多くの人に行き交う車にトラック、そして船。
多くの観光客で賑わっていた。
バスはどこも満席で通路に立って入りきれないくらい詰め込んだ状態で移動。
以前と同じくフランス人が目立っていたけど、
片言の日本語にこの混雑で、運転手とも意思疎通ができず
何だか可哀そうになるくらいだった。
離島に行くなら空いている時がベスト。冬がいいぞ。

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わたしの最大のお目当ては大竹伸朗氏の銭湯《I湯》であった。
ここは14時~21時で午後四時頃、汗だくの服に耐えきれず入浴。
皆グッズを買ったり、中に入っても観賞のためでさっと出ていく人が多い中、
普通にゴシゴシ全身丸洗いで、堪能しましたとも。

ポスター。中はこんな感じで男湯と女湯の間に象さんがいるのです。

アイラブユ

女木島

高松港の入り口にそびえたつ最初に出会った作品、大巻伸嗣《Liminal Air :core》。

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高松港から女木島までは船で20分ほど行った場所にある。
女木島はあの桃太郎に出てくる鬼が島のことで、
鬼が住んでいたとされる大洞窟が島の中心部、山頂にある。
女木港に着くと、木村崇人《カモメの駐車場》が迎えてくれた。

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連日の猛暑で旅行中はずっと晴天で最高気温は毎日35度以上だった。
その照り返し、直射日光のせいか写真がどれも白い。
見どころは、レアンドロ・エルリッヒ氏の《見えないもの》と《二重の茶室》だろうか。
彼は金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》をつくった人。
残念ながら写真はNGでないのだけど、茶室に入ると壁に二つの鏡があるように見える。
だけど、実はひとつは鏡ではなくて、もうひとつの部屋になっているという仕掛け。

レアンドロ・エルリッヒ氏の作品
http://www.leandroerlich.com.ar/

汗だくでもう数分歩いただけで、シャツは激しい運動の後のようにびっしょり…。
本当は歩いていこうと思ったけど、山頂の鬼が島洞窟まではバス。

洞窟の入り口に立っただけで、穴から冷気が肌に冷たくて、
中はひんやりとして、湿っぽく、ダンジョンのように入り組んでいて、
天井が低い所が何か所もあり、暗く不気味だった。

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時々、こんな感じの鬼の人形が置いてあり、
物語を感じさせるような、鬼達の暮らしぶりを想像させた。
宝物庫や牢屋、鬼の大将がいる部屋など、
写真を撮るのも忘れるくらい深い、アトラクションのような洞窟だった。

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女木島は海水浴場があり、海の家も数件立ち並ぶ砂浜。
日が沈むまで十分海水浴が楽しめる。
夜は昼の人影はどこへ行ったのか、誰もいない海岸が美しく青く光り、
夕暮れの散歩は気持ちよかった。
そして夜。海面に映るライトが幻想的で、何枚も写真を撮った。

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海の家であり民宿である「竜宮」に泊った。
二階の窓から海岸が見えて、三人で十畳くらいの広すぎる部屋。
中には十四インチのテレビと小さいテーブル。
夜は魚満載の料理、朝は質素な島の手料理。
ティッシュとかタオルとかたくさん持ってくればよかったと後悔。
冷房と蚊取り線香があったのには幸いだった。

再び暑い朝日が昇ってきた。

瀬戸内国際芸術祭2010

瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。
なによりもっとも瀬戸内海を美しく魅せてくれたのが、女木島山頂からのこの景色。

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三泊、もしくは四泊くらいできれば余裕があっていいのだけど、
金銭的日程的事情により、二泊三日で四つの島をめぐった。
開幕からお盆休みまでで来場者が16万人突破したということだけあって、
直島の混みようは予想以上であった。(とくにバス)

瀬戸内国際芸術祭:16万人突破 アートの魅力、客足順調 /香川(毎日.jp)

直島での宿泊予約は7月の時点で8月中に取るのはかなり困難だった。
それでも、民宿のいくつかは日程をずらせば空いている日もあった。
もし、直島へ行くのが初めてという人は、
直島にかける時間が長くなるので、
丸一日以上は直島に時間をかけないと回れない。
すでに直島を回ったことがある場合は、今回はパスしてもいいかもしれない…。

観賞に時間がかかる島の順番に並べるなら、
直島>豊島>小豆島>男木島>女木島>犬島>大島

個人的には(直島は除くと)こんな感じで観賞の重きを置いたらいいんじゃないかと思った。
豊島>男木島>女木島>犬島

直島、豊島、小豆島はレンタカーがあれば楽だと思う。
バス&徒歩でも行けなくはないけど、豊島はバスの本数も少ないのであらかじめシュミレーションが必要。
猛暑の中、バスを待つのも結構つらい。
自転車は暑くなければいいが、坂の上下は激しい。
男木島は徒歩で十分。
女木島は、徒歩でもチャリでもいい。

わたしは、豊島の景色がすごく好きだった。
街並み、何気ない風景、田園、倒壊した家、つる草の家など
どこを撮っても絵になる、と思った。
それぞれの島は、それぞれの顔があって、似ているようで、全く違う色がある。

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女木島と男木島を堪能したので、
高松港とこれら二つの島を結ぶ船と同じタイトルの映画「めおん」のポスターが
あちこちに貼ってあって、気になってパンフレットをまじまじと読んだ。
地元民とかゆかりのある人にとってはきっと楽しい物語だろうな、と思ったので
時間があったら現地で見たかった。

夏の読書感想文 其の1

夏休みも半分過ぎた。

夏の市立図書館には、いつも元気な幼児から小学生、
明らかに暇を持て余してダラダラしにきている中学生とか、
何をしているかわからないおじさんとか(これはいつもの事か)、
私のような暇人とかがいて、
いつもよりこどもの占有率が高い。
小学生も一著前に机で朝から宿題のドリルとかをやっているし、
歩きたての赤ん坊も、ラックに並んでいるCDを見て、むにゃむにゃ言いながら
端から床に落としたりしているので、いつもと違う風景が眺められるは楽しい。

夏休みの宿題に出される「読書感想文」は、本の感想を書くものではないらしい。
本を通して己の生活の中で感じたことを書くものらしい。
いまさらそんなことを言われたら、読書感想文、という言葉をやめて、
読書生活文とかに変えるべきだ!とか抗議したくなる。
読書によって自己を客観的にみつめ、
すらすらと文に起こせる小学生なんて本当にいるのだろうか。


これは素直にただの感想。
しかも、読んだ端から忘れていく記憶力をとどめるためのメモである。

7月に読んで印象に残った本:

【さいえんすとか】

「七つの科学事件ファイル」H・コリンズ+T・ピンチ著 福岡伸一訳

科学の歴史の中で起こった重大事件7つについて語られている本。
「記憶は移植できるか?」
という課題に取り組んだ1950年頃から始まった研究は印象的。
プラナリア(自己再生する生物)を訓練させて、半分にちょん切り、
記憶物質が「身体」と「頭」のどちらに残るか調べるという。。。
研究に真っ向から非難する論争のドラマ。
重箱の隅をつつくような科学論争には終わりがなく、
その皮肉ともいえる、研究のあり様が何とも現代に通ずる哲学のようなものと
感じさせてくれた。


「マリス博士の奇想天外な人生」キャリー・マリス著 福岡伸一訳

福岡先生の昔の本を読みあさることにして、この二冊目。
先生が文章がうまいのは昔からのようである。訳であっても読みやすい。
この本は、分子生物学では欠かせないPCR技術を発明し、
ノーベル賞を受賞したキャリー・マリス氏の自伝である。
研究者の変人ぶりを自ら証明しているような本である。
本人で書いているだけあって、ボケがあっても突っ込みはない。


【小説とか】

「鉄の骨」池井戸 潤

NHK総合で先日まで放送していたドラマの原作。
原作読んでからドラマ観ようと思って読んでみたのだが、ドラマの方が面白いと感じた。
建設業界で談合に関わることになってしまった若手社員の物語。
社会派ドラマのモチーフとしては興味深いのだが、
主人公が周囲に振り回されっぱなしで話が進んでいくので、
最後はオチがあるけれども、やはり主人公が何かをやり遂げるべきではなかったか、
と思えてならなかった。


「魔法使いの弟子たち」井上 夢人

未知のウィルスによる感染事故が発生し、生き残った主人公(週刊誌の記者)が、
後遺症として超能力を獲得するというSFファンタジー。
感染症のことやウィルスパニックの部分はすごくリアリティがあるのに、
後遺症が超能力(相手の過去や未来を見ることができる)というところが、
B級映画っぽすぎて、マスコミや警察を使って騒ぎ立てている感じが、
どうしても好きになれなかった。


「神様のカルテ」夏川 草介

図書館で予約待ちがいっぱいで、新聞でも度々取り上げているので
読んでみることにした。
不思議な雰囲気を醸し出した本。
きっと著者が不思議な雰囲気をもった人なのだろうと想像させる。
信州の地方病院に勤める若手医師が、普段の生活の中で医者とは、死とは、
と静かに見つめあっていくのを丁寧に書いた作品。
新人賞受賞作。毎回思うけど、医者で作家なんてずるい。


【新書とか文庫とか】

「世界の野菜を旅する」玉村 豊男

身近な野菜から世界中の野菜に関することについて、
今まで持っていなかった視点や知識をもたらしてくれた。
何しろ、食に疎いわたしには、刺激があった。
すきな文章の感じ。
普段食卓にあがる野菜が歴史的にどう生まれてきたか、
世界をどう渡ってきたか、なんて真面目に考えたこともなかった。
ポルトガル料理が本気で食べたくなった。
まだ実現していないけど。
著者の上田にある農園&レストランにも是非足を運んでみたい。


「すべてのいのちが愛おしい」柳澤 桂子

小学生の孫に宛てた手紙の文章の中に生命に関する、
ちょっとした事を織り交ぜながら展開してく詩のような本。
小学生の娘に向けて書かれているだけあって、
やさしくやわらかく書かれているけれど、
わたしの中にすでにある知識が邪魔してか、新しい感覚を感じることができなかった。


【マンガとか】

「同級生」「卒業生」 中村 明日美子

知ってたのに何ですぐに読まなかったのかとひどく後悔した本。
すごくよかった。BL(ぼーいずらぶ)の本なので
好きじゃない人は読まない方がいい。
しかしBLとかそんなことはどうだっていい!と感じさせるほど
シーンのひとつひとつ、コマ割りの感じが、青春と恋愛を
しんしんと迫ってくる。素敵だった。
ハラセンという教師が最高。


「flat」 青桐 ナツ 

料理好きのマイペース高校生・平介と無口で純粋な幼児・秋君のやりとり
+その周囲の人々を描いた物語。
ふたりのやりとりは、クスリと笑える感じに描かれていて、
この人、子供をわかっておるな、と感じさせてくれる。
しかし周囲の友達キャラはまだまだフラフラしていて、
作者の未熟さを表わしているんだけど、それもまた愛嬌かなと思って読んだ。
秋君が他人のうちの風呂を掃除しちゃうのとか、いいよね。


「哲学男子」 ポストメディア編集部

ツイッターで知って衝動買いした本。
哲学の偉人達を、キャラ化して、四コマとくだけた文章で彼らの思想までもを
2ページから4ページで簡潔に紹介してしまうというある意味すごい本。
哲学のプロではないので、何が正しくて間違っているとかが指摘できないけど、
わかりやすかった。
キャラクターのデフォルメがマンガらしくて、
わたしはパスカルの禁欲主義を笑ってしまった。


読書感想文 其の2に続く

ワンピースカーニバル

神保町でワンピースカーニバルをやっていると知って
最終日に行ってみた。

IMG_0132_025.jpg

神保町のすずらん通りとさくら通りの古書店街のお店の各場所で
スタンプラリーができるのと、さくら通りの「青空展覧会」に
フードコート。
炎天下で焼き鳥とか焼いてるのとか、煙とか火とか本当に熱そうだったが、
スタッフはすごい大声張り上げて場を盛り上げていた。

なにより素晴らしかったのが、原画の数々。
200点以上の原稿を展示していて、
実際の原稿に書かれたペンの色合いとか、質感とか、
印刷されたものには出てこない、作家の魂がそこにあるような気がして、
感動して、しばらく動けないほど魅入っていた。

写真撮影はNGだったのに、殆どの人がバシバシ写真を撮りまくっていた。
スタッフも全然注意しないのだが、注意するのを諦めたのか。
誰も何も言っていなかった。↓これは遠目だから許して。

IMG_0131_025.jpg

スタンプラリーを全部制覇すると、クリアファイルとシールがもらえる。
フードコートで何かを食べると、割り箸やマットやコースターがワンピース仕様になっていて、
おみやげになる。

街中の様々な場所に、ポスターやパネル、フィギュアなんかも展示してあった。
あんまり写真撮らなかったんだよね。
これを美術館とかに飾ってお金を取ってもいいのに、それをしない潔さがすごい。
その代わり暑いけど(^^; 個人的な意向によりサンジの写真だけ載せる(笑)

PO20100803_0013_013.jpg

暑かったけどね、立っているだけで汗でドロドロだったけど、
それでも行ってよかった。
本当に行って良かったと思った。

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