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贅沢な悩み

岡本太郎著「自分の中に毒を持て」の中にこうある。

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
<中略>
ふつう自分に忠実だなんていう人に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。社会的状況や世間体を考えて自分を守ろうとする。
<中略>
誰だって、つい周囲の状況に甘えて生きていくほうが楽だから、きびしさを避けて楽なほうの生き方をしようとする。<中略>たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋をつらぬいたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。人生というのはそういう厳しさをもって生きるからこそ面白いんだ。

そうは言っても、人はいつでも迷うものだ。あれか、これか…。こうやったら駄目になっちゃうんじゃないか。人間は本当は、いつでも二つの道の分岐点に立たされているのだ。この道を取るべきか、あの方か。どちらかを選ばなければいけない。迷う。

一方はいわばすでに馴れた、見通したのついた道だ。安全だ。一方は何か危険を感じる。もしその方に行けば、自分はいったいどうなってしまうか。不安なのだ。しかし惹かれる。本当はそちらの方が情熱を覚える本当の道なのだが、迷う。まことしやかに悲劇の岐路。


本部長と二人で話をした。彼は気性が激しく、浮き沈みがあり、感情的で頭の固い、典型的な団塊の世代のただのオヤジだ。彼の頭に血が上って怒り心頭して怒鳴っているのを聞くと、いつもなぜか祖父や伯父さん達を思い出す。同じ世代の同じ気性の持ち主。彼がどんなことを話し、何を言うのか、私には容易に想像できた。
会社を辞める決心を伝えてから、早3ヶ月が経過した。新しい部長に言いくるめられて、ずるずると仕事を続けていた。
私は中途半端が嫌いな達で、気持ちの半分は早く新しい生活を始めたいという想いと、仕事は最後までやり遂げなければという想いが混在して、毎朝憂鬱に満員電車で通勤していた。何故私は毎日会社に出勤しているんだろうと思いながら。仕事はおもしろいときもある。新しい兆しもある。経済的にも安定している。思うようにやらせてもらえる。適度な自由もある。

本部長は「それで本当に経済的にやっていけるのか?やっていけないだろう?」「それは永続的な仕事なのか?多くの人は使い捨てだ」と自由業のことを馬鹿にした。私は「それで構わない」と答えたが、納得させることはできなかった。15年前に祖父に言われたときと同じセリフ。悔しくて今でも忘れずに覚えている。
結局、彼の私を引き止めている理由は私の人生云々とは関係なく、自分の首がかかっているからということが分かると、激怒している彼を冷ややかに見ながら意気消沈した。

仕事仲間のことを思うとこれまた嫌な気分になる。自分が逆の立場だったときのことを思うからである。最悪である。でも、もうそんなことを気にしていられなくなった。黙っていても時間は無常にも過ぎていくのだ。
仕事をやめなければ本当に自分が思うようにできないのか?と何度も自問自答する。この不況時代に、仕事をしたくてもできない人が溢れているというのに、本当にやめていいのか?と。
会社は関係ない。自分が思ったことをやるだけ。決めたことは必ず実行する。

このまま会社に残って管理職になるのも悪くない。一方は、危険だ。脚本家で成功する見通しは全くない。多くの人は馬鹿だと思うだろう。実際私もそういうことをする奴は馬鹿だと思っていた。だけど、自分がそうなったら、馬鹿なことをしてしまうのが人間だろう、とも思う。堕落して、ノイローゼになって這い上がれないかもしれない。だけど、賭けたい。自分に賭けてみたい。だから、会社を辞めるのです。

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人の心を分子生物学する

今年は分子生物学会に企業ブースを出せなかった。
一年で最も販促活動が容易にできる場であるにも関わらず、いくら広告宣伝費が少なくとも参加するべきだと主張するまえに、参加しないことが上で先に決められていた。自分の誕生日が近づいてきようやく思い出した。そうか、今年は神戸か。行ってもいいかどうか部長に聞いたら即決OKだったので、行くことにした。

8時半からの講演を聴きに行きたいと思い、朝一番の飛行機に乗ることにした。朝五時出発のバスで羽田へ向かう。寒いのを堪えてバス亭に行くと、先に来ていたおばさんが挨拶してくれる。
おばさんはずいぶん気さくな人の様で、「どこへ行くの?」なんて、バス亭に集まってくる人に対して次々に知り合いのようにしゃべっている。いかにもサラリーマン風の私には話しかけにくいのか、私の後ろの人に対して話しかけている。
定刻を過ぎてもバスが中々来ないことに不安になりかけたとき、おばさんは急に「ねぇ、誰か一緒にタクシーで羽田行かない?」と提案してきた。
どうやら、彼女はとても急いでいるらしい。誰も首をタテに振っていない。
「お金はバス代だけで、後は私がだすからさ。誰か一緒に行かない?」と聞いてくる。
私は腕時計を見て、これは乗るべきか。と判断して私は返事をした。

タクシーの運転手は朝っぱらから快活なおじさんだった。
おばさんはまたもや私ではなく、今度はタクシーの運転手を相手に弾丸の様に喋り始めた。
二人とも地元の人らしく、「どこに住んでるの?」「仕事は忙しいの?」などのごく世間一般の話題から「駅前の土地は昔は安くても誰も買わなかったのに、いまじゃあの土地もってた奴は羽振りがいいらしい」など地元のネタでとても盛り上がる。
初めて会った人なのに、話題を切らさないのには、感心…というか、本当ならバスの中で寝ようと思っていたのに、これじゃ眠るに眠れない。
タクシーの運転手をしていて“行き先を聞き間違える”という話のネタがあって、「錦糸町と警視庁を間違える」というのが、すごく可笑しくて、さすがに沈黙していた私も噴出してしまった。

飛行機で神戸、学会会場まで飛ぶ。
今回のお目当ては、超高速シーケンサーとバイオインフォマティクス周辺の調査と、分子精神医学関連の講演を聴くことだった。
唯でさえ、短い時間で殆ど要点しかしゃべらない口頭発表なのに、英語で説明されるとさすがに分からないことが多い。
聴きながら自分の中でもう一度分子生物学が目覚めるかどうか、試してみたのだったけど、あまり効果はなかった。
やっぱり、面白くないのだ。本当に、おもしろい研究っていうのは早々にあるわけないのだ、と思い知らされる。マウスの神経細胞を研究している人で、ああ、おもしろいな、と思う研究発表があった。でも、ネタにしようと思うようなことではなかった。

数年ぶりに関西に住んでいる友達と再会した。彼は前に会ったときとちっとも変わっていなかった。
変わっていないように見えても、実際仕事はプロフェッショナルになって、家族もできて、立派な社会人になっていた。
会話をしながら思い出す。そうだ。コイツはこういう奴だった。そのエネルギー、モチベーション、考え方。変わってない。だけど、なんだか新鮮だった。自分にはもうそんな熱いモチベーションがなくなってしまったからだろうか、と思った。
弾んだテンポの良い会話の中で、「あなたはおかしい人ですよ。狂ってる」と言われたとき、何だか嬉しかった。褒め言葉に感じたのだ。本当かどうかわからないけど、自分のことを特別に思ってくれていることが、なんだか嬉しかったのである。自信を喪失して路頭に迷っているいまだからこそ。

分子生物学を使って何としても一本書こうと思って、何ヶ月も瞑想していた。中々原稿は進まない。書いては捨てて、書いては消すの繰り返し。それでも、本当にやりたいのは、人の心を分子生物学できることなのかも、と思うのだった。きっとそれができたら、おもしろいのに。どんなに時間がかかっても、何とか、自分の生きてきた世界で一本書くぞ。

NHKアーカイブズ

NHKアーカイブズ(埼玉県川口市)に行ってきた。
「NHKアーカイブズ」とは、NHKで過去に放送した番組をライブラリー化して保存・管理している場所で、オンデマンドサービスのさきがけとして作られたところ。川口駅からもバスで10分くらいかかる辺鄙な場所なんだけど、行ってみたら予想に反して面白かった。
向田邦子作「あ・うん」の脚本を読んでどうしても映像が観たくなり、何とか見れないかなぁと思っていたら、ここの公開ライブラリーで無料で見れることを知ったので、一度行ってみようということになった。

公開ライブラリーで観られる番組はWEBで検索できて、6000本ほどある。ジャンルも幅広くあるので、子どもでも楽しめる。でも難点は利用時間が最大2時間なので、ドラマとかはまとめて一度には観れない。土曜なのに、全然混んでいなくてスムーズに使えた。受付担当者も過剰なほど丁寧な説明。

SKIPシティというビルの中に併設している、「映像ミュージアム」がとても楽しめた。子ども連れにはいいかもね。入館料も500円(おとな)、200円(こども)で入れる。
テレビや映画でどのように映像が作られているのかを体験しながら鑑賞できるようになっている。何より“試せる”のがとても良い。わかりやすいし、実体験が伴うので印象も強くなる。
3階の映像制作ゾーンでは、小規模なスタジオで撮影をして撮ったものをDVDにやいてくれる。
遊び半分の編集などもできる。

12月から始まった「NHKオンデマンド」サービスが、開始から1週間で会員が8000人になったというニュースをみた。私もとっさに「地球大進化」観たい!と思って会員になってみたのだけど、まだ観てない…。いまはまだ1226本しか登録されてないみたいだから、まだまだ少ない。
やっぱり、オンデマンドやるなら、どれだけ動画を揃えられるかがユーザ数を増やす一番重要なところだとは単純に思うのだけど。あと価格。

自由に好きなときにいつでも、番組が観られるようになったら、オンタイムで放送するテレビの重要度が下がる事は避けられず、今後テレビがオンデマンドとどう付き合うかはこれからも頭を悩ますところだと思う。でもまぁそう簡単にテレビを観る人が極端に減るわけではないから、多くの人の興味の対象っていうのは広がっていくところに、テレビだけの価値を見出せたらいいのかもしれない。

かいだもの

   居間に広がる洗濯物をたたんでいるママとソウタ。
   ソウタ、黒い長袖シャツを取り出し、
ソウタ「これって、パパのママのどっちの?」
ママ「どっちだろ」
   ソウタ、シャツを鼻にあて
ソウタ「パパのだ」
ママ「わかるの?」
ソウタ「うん。パパのにおいがした」
ママ「あ、そう(笑)」
ソウタ「これは?(と、別のシャツを取り出し)」
   ソウタ、シャツのにおいを嗅ぐ。
ソウタ「これは、ママのだね」
ママ「パパのにおいってどんなにおい?」
ソウタ「……(少し考えて)にんにくのにおい」
ママ「フフ(笑) じゃ、ママのは?」
ソウタ「……(考えて)犬のにおい」
ママ「へ~……(何だかおかしい)」
   ママ、ソウタを見つめて、鼻を近づけ
ママ「ソウタは臭いがないなぁ。じゃ、これは?(と、アオカビの人形を渡す)」
ソウタ「…なんか、カレーのにおいがする」
ママ「えぇ?そんなわけないでしょ!」
ソウタ「カレーのにおいするよ」
ママ「じゃぁ、これは?(と、マフラーを渡す)」
ソウタ「……うーん……古本のにおいがする!」
ママ「えぇ?本当?!(……微生物の匂いなのかぁ?)」


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