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アンバランスな靴

 部長がアメリカに行くというので壮行会をやることになった。
 その前の晩、仕事が押していて作業しながらふと、もしかしたら部長に会うのはこれで最後かもしれないな…と思っていた。壮行会には遅れて行った。会場はかなり沢山の人が集まっていてオフィスには人が残っていなかったから、殆どの人が来たのだと思った。部長は女性陣に囲まれて何だかハイテンションのように見える。私は静かに端っこの席でビールを飲み始めた。
 部長は私が入社してから比較的長く付き合ってきた上司だった。当時は課長で一緒に仕事をして、昨年くらいから部長になったため、つい課長と呼び間違えることがある。部長は途中で隣の席にやってきて、いきなり「サインくれ」と言ってきた。
「は?何をまた……」
 向かいに居た別の部の課長がキョトンとした顔をしている。でも、本当は何を意図しているのかわかっていた。
「いいですけど……意味わかんないですよ」
 部長は「ここにサインしてくれ」と言って、手帳のあるページを広げて出す。
「○○部長へ、と書いてくれよ。あと日付もな。ほら、よく店とかに飾ってあるやつあるじゃん、あんな感じでさ。サラサラ~っと」
「サインなんてないんですけど?」
 改めてサインなんて言われると恥ずかしくなる。私は唯の一部下であって、別に有名人でもなんでもない。とりあえず、普通に書きますよ?と言って名前を書くことにした。
「10年後に1000万円の価値が出てればいいなって」
 彼は私のことを受け入れようとしてくれているようだった。
「必ず、その価値、出すようにしますよ。目標はハリウッド映画ですから」
 私は大げさに言って、笑い飛ばすことにした。
 部長とは二次会も付き合うことにした。彼の好きなワインを飲みながら、少人数で仕事や同僚の話題で盛り上がる。
「俺は一人ずつ、あっちに来てもらおうと思ってるからさ。まずは、お前、来いよ」
 と私に言う。部長は部下に囲まれて、楽しくそして流暢に会話劇を展開する。周囲の笑顔。笑いを堪えている顔。
「あと10年もこのままずっとこの売り上げでやっていくのはやなんだよ。だから、売り上げ今の10倍にしようぜ」
 と言った彼の言葉を思い出す。
「あと10年経った時に、私は今の課長とか部長とかみたいに予算会議のためだけに仕事するのは嫌なんです」
 と彼に言った言葉を思い出す。
「俺は一緒に仕事できて、良かったよ。楽しかった」
 帰り際、彼は右手を差し出してきた。握手をした。
「じゃぁな」
「じゃぁ……」
 私は反対方向の電車に乗り込んだ。一人、電車に揺られながら、本当に頑張らなきゃと思った。絶対成功しないといけないなと思った。そんなことを考えていたら、不覚にも涙が出た。
 その夜、久しぶりに夢を見た。
 部屋から外に出ようと入り口に行くと、誰かの運動靴が何足か並んでいた。
 そこに自分の履きなれた靴はない。
 外に出てみると、大勢の人が同じ方向に向かって歩いて行っている。
 私もそっちに向かうかどうか迷っていると、足元は右と左で違う、見たこともない靴を履いていた。

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プチプチ占いミルクココア

プチプチ占いミルクココアを食す。
3×6の小さな丸いチョコが入ってて、駄菓子屋とかで売っているチョコレート。
一つ一つのチョコの穴には、

メール、にんき、ならいごと、あそび、ダイエット、スポーツ、ともだち、べんきょう、おこづかい、れんあい、チャレンジ、おかいもの、デート、ねがいごと、ぼうけん、けっこん、なやみごと、みらい

という名前がついている。

裏の銀紙を破ってチョコを取り出すと、◎、○、△、×の四種類のどれかが現れる。
これが占い。

わたしはいきなり、「みらい」をセレクト。

×(よくない)

(ガーン!何で×なのよ……)
さて、気を取り直して「ねがいごと」を開ける。

△(ふつう)

(おいおい)
ついてないママ。

ソウタ「ねぇ、“れんあい”ってどういう意味?」
ママ「えっ?恋愛?」
ソウタ「うん」
ママ「(少し困って)……辞書でも引いてみな」

れんあい【恋愛】例:彼は恋愛結婚をした。意味:男女がたがいに好きなって恋しく思うこと。恋。

ソウタ「コイ?」
パパ「デートって知ってる?」
ソウタ「知ってるよ」
ママ「知ってるの!?じゃぁ何?」
ソウタ「…(笑って)知らない」
ママ「知らないんじゃん……(笑い)恋愛の意味、わかった?」
ソウタ「……愛、だろ?」
ママ「ぷっ。恋だよ、恋。恋愛って、恋(こい)に愛(あい)って漢字で書くんだよ」
ソウタ「ふーん」
ママ「恋っていうのは…『あの人素敵…☆』みたいな感じのことだよ。愛っていうのは…うーんとね(困って頭をなでなでして)こういう感じ」
ソウタ「じゃぁさ、“りこん”って何?」
ママ「離婚?……結婚っていうのは家族になることでしょ?それをやめるってことだよ」
ソウタ「(変な顔をして)別れ?」
ママ「うん、まぁそんな感じ」
ソウタ「フーン」
ママ「……(なぜそんな言葉を……?)」

プチプチ占いミルクココアは、きみどりいろはミルクチョコ味。みずいろ、あかいろはビター味。
混ぜて食べるとミルクココア味になるらしい。

公民館でかるた大会の練習

温度差でやられたのか、案の定、風邪を引いていた。今日は元々休みにしていたので、洗濯干して、掃除機かけたら、風邪薬の所為か眠気が襲ってきて午後一時過ぎまで眠ってしまった。やばいやばい、このままではあっという間に夕方になってしまうと起き出し、パソコン作業を数時間した後、学童にソウタをお迎えに行って、去年も参加した子ども会のカルタ大会の練習に参加した。

練習は公民館でやるというので、チャリンコで向かった。公民館はとても年季の入った建物で、とても情緒溢れる素敵な場所だった。右側には神社。左側にはお墓だ。一階建てで30畳くらいのタタミの部屋と縁側、トイレがあるだけの場所。

一番奥にはトロフィーが入った棚があったり、梁には沢山の賞状が額に入って飾られている。殆どがスポーツ大会とかゲートボールとかカルタ大会とかイベントでの賞状になっている。

公民館の中

玄関は木製の古ぼけた下駄箱と、黒板式の連絡板とピンクの公衆電話。柱には温度計。
何だか一つ一つが物珍しく、こそこそと写真を撮っている私はきっと怪しい人に映っているに違いない。すぐ帰ろうかと思っていたが、しばらくあちこちを魅入っていた。

玄関

結局、練習を付き合うことに。一年前のことなので、すっかりルールを忘れてしまったが、団体戦では、中央の線から左右に12枚、11枚と二行に渡ってカードを並べ、残り2枚になったところで二つを均等な位置に並べなおして取る。

かるたの練習

子ども達はワーワーキャーキャー、静まることなくずっと騒いでいるが、ゲームをしているときだけは真剣だ。ゲームは勝ち負けが明確なので、分かりやすいし、楽しい。やはり、勝ちたい。
ゲームに勝つために、家で特訓だな。

沖縄出張

沖縄出張なんて早々あるもんじゃない、けど仕事で那覇へ。お盆の時期に会社でだらだら仕事をしていたら、那覇のある事務所から電話がかかってきて、「もしかして、沖縄に行ける!?」と期待をしていたのが、やっと実現されたのだ。日帰りだけど・・・

朝9時の飛行機で羽田を出てお昼に30分遅れで到着。予想以上の遅れに時間がないにも関わらず、営業の人に勧められた那覇空港内にある「天龍」という店でソーキソバをかきこみ、現地の担当者に事務所まで車で送ってもらった。電話で「ぶっきらぼうな人だな」と思っていたが、その人はアロハシャツでワゴン車に乗ったまま登場した。それは仕事着ですか?とはとても聞けない。沖縄は三回目だったが、タクシーの運転手も皆アロハを着ていたので、これがここで言うYシャツなのかもしれないと納得した。

仕事が終わって「これからどうするんですか?」と聞かれて困ってしまった。「テキトーなとこで降ろしてください」と言って(どこだそれは)国際通りの入り口で降ろしてもらった。彼は沖縄産まれの沖縄育ちで、沖縄を出たことがないという。
「沖縄は仕事で来るところじゃないですよ」と彼はつぶやく。
「何もないところですよ。遊ぶところもないし。海しかないですよ?何もすることなくても、海でボーッとしてたらいいじゃないですか」

いつもながら無計画な私は、目の前にやってきたバスにとりあえず乗ってみた。一番近くの海に行こうと思い、あるバス亭で降りようと思っていたが、アナウンスを聞いていても全くそれらしいバス亭を呼ばない。バス停の名前は全く読めない名前で名づけられていて、気がついたら終点まで来てしまった。

地図も大雑把なもらいものの簡易地図しかなくて、降ろされた場所がよく分からない。どうやら三重城(ミーグスク)というところらしい。近くに大きなホテルがあって分かった。そこから、海の方へ歩いていった。ここが城跡なのだろうか・・・

三重城

全く人気のない防波堤沿いを汗だくになって歩いた。何しろ気温30℃。
警官の巡回の看板が立っていて、こんなところを夜うろついてたらまずいところなんだろうか。道沿いに歩いていったら、行き止まりだった。

青い家

散歩していて楽しいのは、建築鑑賞。
水色の壁が空と同じ色で素敵・・・

気がつくと迷子になっていた。
そこで、高台に上ってみれば分かるかもしれないと三文殊公園と呼ばれる公園に入った。
ここには、岩でできた盛り上がった山が公園の真ん中にあるのだ。

三文殊公園

フライトまでの残り時間で晩御飯を食べようと、お店を探した。
メイン通りを一本外れた道の途中で開店したばかりの店があり、何となくそこに吸い寄せられるように入ってしまった。中にはカウンターに座ってビールを飲んでいる男が一人だけ。店内は5席のカウンターと四人掛けのテーブルが3つだけだった。お店の人が「カウンターへどうぞ」というので、その男と一つ空けて隣の席に座った。

汗だくの散歩だったので、ビールが美味しかった。
男は三十代の半ばくらいで、メガネで細身でひ弱そうな感じ。お店の人と慣れた感じでしゃべっているので、知り合いだろうか。お店の人に「お仕事で来られたんですか?」と聞かて、その男とお店の人と会話することになった。

男の職業を聞くと、「内緒」と言って教えてくれない。自由業のようだ。「この人はね、変な人ですよ。恐い人よね」とお店の人がいうので、まさか犯罪者で仮出所中とかだろうかと勝手な想像を膨らませてみる。でもそんなに悪人には見えない。愛想もいい。いや、人は見かけにはよらない。何か人に言えないような過去があるんだろうか・・・。結局、正体はデイトレーダーだと分かった。昔はPCの保守などをやっていたといい、IT話で盛り上がった。

沖縄産まれの沖縄育ちだという。
「せっかく沖縄に来たんだから、海でボーッとしてたらいいじゃないですか」
と数時間前に言われたのと全く同じセリフを言われる。私は可笑しくて仕方がなくなり、時間ぎりぎりまでその店で飲んでいた。

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