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テオ・ヤンセン展

日本科学未来館で開催中の『テオ・ヤンセン』展に行ってきた。
(2011年2月14日まで)

http://www.theojansen.jp/overview.html

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本サイトを見て、う。本物みたい…
とそれだけの動機でお台場まで。
お台場はいつもゆりかもめに乗るのが面倒なので都バスを利用。
あちこちの駅から未来館の前で降ろしてくれるバスは結構ある。

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展示スペースは作品が大きいせいか、狭く感じて
人もものすごく混んでた。

テオ・ヤンセン氏はオランダの人で、
物理学の知識を生かして風で動く生き物を造ったのが
このビーチアニマルという奇妙なロボット。
展示はその最初の着想段階から、十数年に渡って思考錯誤されてきた
数々のアニマルたちの姿を見ることができる。

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工学的な説明はほとんどなく、
作者がどのように発想していったかという所の方が強調されていて、
これが何で動いているのかがわからなかった。
展示中のビデオ映像を見てようやく
原動力が「風」と「圧力」だということがわかった。

初期の頃は船のように風力でしか動いていなかったが、
風がない時も動くことができるように、
最新バージョンでは、ペットボトルに空気をためておき、
駆動して動く車輪の力で動かすことができるようになっている。

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原材料もきわめてシンプル。
プラスチックのパイプとビニールとペットボトルだけ。
一見ただのプラスティックであるモノが、滑らかな動きを見せるところに
イキモノを連想させる何かがあるのだと思う。

実演のデモンストレーションは2体あって、数分間の短いショー。
動くところがほんの少しだけ観れる。
でも狭いところで動かすので少し物足りないかな。

やっぱり海辺ですたすたと歩く彼らを見てみたい。
こんな風に↓
http://www.strandbeest.com/film_videos.php


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水族館のお泊りナイトツアー

数年前は新江の島水族館くらいしかやっていなかったのに、
最近はどこの水族館も「お泊りナイトツアー」をやっているらしい。
その名の通り、水族館に泊るのです。

このイベントは調べると他の水族館でも結構やっていて、
水族館には“まねしんぼ”文化があるって本当なんだなと実感した。
どこかの水族館で何か新しいことを始めて成功すると、
他の水族館も必ず「うちもやろう」という事になるんだって。

前にも書いたけど、わたしの水族館知識のうけうりは全部、
中村元著の「水族館の通になる」(祥伝社)にある。

最初、「えのすい」こと「新江の島水族館」の
お泊りナイトツアーに往復はがきで申し込んだ六月。
いとも簡単に落選。
「定員70名の所、約五倍の応募数がありました」と返信はがきが。

これで懲りず、次は八景島シーパラダイスと両方ダブルで出して、
ようやく、えのすいのツアーに当選したのだった。(八景島は落ちた)

ツアーにはおとなだけのコースとか、
親子とか、こどもだけとかいろいろあるけれど、
私達は親子ツアーの「ペンギンに餌やりする」回に参加した。

【午後四時過ぎ】
水族館に到着して館内を見学。
これは通常の見学と同じね。
お泊りツアーのメンバーはパスで入れる。
集合時間の六時まで時間があったので、
少しだけ、江の島の海を眺める。
黒い人。ちゃらちゃらした人がいっぱい。

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【午後六時過ぎ】
水族館が閉館し、誰もいなくなった館内に再度入館。
さっそくペンギンの餌やりをやることに。
できるのはこどもだけ。
二匹のししゃもをペンギンに与える。

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こどもが魚を入れたバケツを持ってペンギンに近づくと、
オレンジ色のタグを付けたペンギンが毎度ししゃもを横取りし、
外野は「あーーーっ、またアイツが食べたー!」とそればかり。
でも、殆どのペンギンは傍観。
餌に目もくれず、泳いでるやつとか、近づこうとしないやつとかもいて、
ペンギンってやつは、そんなに強欲じゃないのね。
と感じたのだった。

【夜七時頃】
夕食。
えのすいには「相模大水槽」という一番大きな水槽が
館内の真ん中にドーンと大きく陣取っていて、
これがすばらしく美しい水槽なのだけれど、
この水槽の前にブルーシートを引いて、ここでお弁当を食べた。(寝るのもここ)
お弁当はロコモコ丼。

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【夜八時頃】
ナイトツアー開始。
親子合わせて全部で50名くらいを3つのグループに分けて、
それぞれ、水族館員のベテランの人がついて、
夜真っ暗になった水槽を周りながら説明してくれるのだ。

水族館員の人は皆おじさま方で、
いかにも理系のもの静かな感じの研究者風の人ばかりで、
私達を担当してくれた人は、何だかすごく優しい目をした人で、
歳は六十くらいだろうか、
動物や魚達にかけている愛情というのが性格からにじみ出ているような人で、
彼の話を聞いているだけで、とても和やかな気分になれた。

で肝心の内容。
まず、メインの相模大水槽には中に大きな岩があって、
この岩場の形は、実際にダイバーが相模湾を潜り、
構造を見て同じになるように、再現して作ったのだという。

魚の「縦じま」とは、
魚の顔を上にして縦に線が入っている模様のことを言う、
などの雑学を交えながらの観賞。
くらげの飼育に最初に成功したのもえのすいだって言っていた。

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一番の見どころは、「眠っている」魚達や動物達を感じることができるところ。

サンゴ礁の入った水槽に山のように居た熱帯魚達は一斉に姿を消していたし、
大水槽の中の魚達の動きもややゆっくりになったように思える。

エイは昼間はそれぞれ自由に泳ぎ回っているが、
夜になると岩棚に集まって眠る。

ペンギンはうつ伏せで、
イルカは浮き沈みしながら呼吸をするためにフアフアと水面をたゆたっていた。

オキドンドウというクジラにそっくりのイルカが、
水族館員の説明の声で目を覚ましてしまい、スーっと場所を変えて
またねむりこけていたのには笑えた。
本当にプールの流れに身をまかせて浮いているんだもの。

【夜九時頃】
ブルーシートに戻ってきて、今度はペンギン先生の話。
約一時間ほど、ペンギンのアレコレをパネルを使ってお話してくれたのだけど、
この日、実は朝から水鉄砲とスイカ割りをやった日でもうヘトヘト。
ここまで眠らずやってきたが、さすがに疲れてきた。
座って話を聞いていると、意識が遠のいて…

【夜十時過ぎ】
消灯。
ようやく寝床につける。
ブルーシートの上に持参した薄いマットにタオルケットをかけて眠った。
寝袋持参なのです。毛布は500円で貸してくれる。

【夜中】
疲れていてすぐに眠ったようだったが、
度々目を覚ました。
館内は冷房が効いていて、
いつも冷房点けず眠っている私にとってはちょっと寒かった。
起きるたびに目の前の水槽を見て、
しばらくボーっとし、再び寝る、ということを繰り返した。

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【朝六時半】
起床。
身支度を整える。

【朝七時半】
朝食。
出された朝ごはんは、クルミパンにペンギンパン(中はチョコ)、
ヨーグルトにバナナ、オレンジジュースだった。
朝の海岸を見ながら潮風に吹かれながら食べた。

【朝八時】
ペンギンと写真撮影。
プロのカメラマンが親子ごとに撮ってくれた。

【朝八時半】
退館。
参加賞の賞状とさっき撮った写真をもらう。
解散。今日も暑くなりそう…。

【朝九時】
次の日も水族館にはパスで入れる。
「もう一回行く!」とソウタが言うので入館。
観てないところを周った。
ただ同じ所を同じように観るのもあれなので、
えのすいのパンフにあったクロスワードパズルをやった。
海にいるうなぎ、8本のヒゲがある魚の名前がわからず、
苦戦したが見逃してただけだった。
「ゴンズイ」

【朝十時】
イルカプールでショーをやるので見に行く。
昨夜、あんなに無防備に眠っていたオキゴンドウが
元気にジャンプしているのを見て、
疲れていたが、ちょっと楽しい気分になった。

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インフル治療薬

今朝のNHKを観ていたら、インフルエンザの治療薬で、
RNAポリメラーゼを阻害する化合物を見つけた、というニュースが流れたので
聞いみると、筑波大学の永田恭介先生の研究ということがわかり、
どこかで聞いたことあるような・・・と思ったら、
今まさに私がハマリ中のドラマ、Regenesis(リジェネシス)の監修をやっている先生だった。

最近、テレビで頻繁にウイルス学や感染症関連の先生とかが
テレビに出没していて、それはそれで画期的なことだけど
ここまで来ると、マスコミは「ちょっとやりすぎじゃない?」って思うくらい
インフルエンザに過剰対応している気もする。
いま感染したら、テレビに出れるぞって勢いだ。
足取りまで丹念に追って、ご苦労様ですとは思うけど、感染源の情報としては不十分。
特定できないなら、不安を煽るようなことを言う必要はないのになぁ。

こういう時こそ、分子生物学の活躍の出番ですよ。

耐性型ウイルスにも効く仕組み解明 筑波大など特許出願
(2009年5月22日 朝日新聞)

筑波大と横浜市立大のグループは、インフルエンザウイルスが増えるのに必要なたんぱく質のしくみを解明し、このたんぱく質を作れなくする物質の開発法を、共同で特許出願した。新型の豚インフルや、今後想定される高病原性の鳥インフルなど、さまざまなタイプに効果があり、耐性株も現れにくい新薬の開発につながる可能性がある。成果は21日付の欧州分子生物学機関誌電子版に掲載された。

 タミフルはウイルスが持つある種のたんぱく質の働きを妨げることで増殖を抑える。だが、ウイルスが変異を繰り返すことで、たんぱく質の構造も少しずつ変わる。タミフルへの耐性を身につけたウイルスがすでに、細胞を使った実験で報告されている。

 筑波大の永田恭介教授(感染生物学)たちは、ウイルスの増殖にかかわる複数のたんぱく質のうち、「RNAポリメラーゼ」に着目した。このたんぱく質は三つのパーツでできており、まずその結合部の構造を解明した。結合部に「ふた」をする形状の化合物をコンピューターに登録された450万種類の化合物から100種類選び出し、うち2種類がウイルスの増殖を強力に抑えることがわかった。

 グループは薬剤の理想的な構造を計算で割り出す「分子設計」を用いた。タミフルやリレンザと同じ手法だが、今回はどのウイルスにも共通するたんぱく質が標的のため、将来どのようなタイプの高病原性インフルが登場しても効果が期待できるという。グループは今後、さらに有望な化合物を見つけ、その化合物の大量合成法を開発する計画だ。

 RNAポリメラーゼの働きを阻害するインフルエンザ治療薬は、富山化学工業の「T―705」があり、患者を対象にした臨床試験に入っている。

インフルエンザ vs ヒト

メキシコのインフルエンザ発生のニュースが報道されてから10日経った。
報道は途中から「豚インフルエンザ」という言葉を取りやめて、「新型インフルエンザ」という名称に変わったが、国内感染者が見つかっていないことから新聞も一面トップの最初の記事ではなくなった。

最初の頃は「これは来るぞ!」と思って、日本の第一感染者を待ちに待っていたところもあり、
人は最悪の事態を想像するのが大好きで、パンデミックにより周囲を見渡すと次々と死者が出るという、悲惨な恐怖を望んでいたようにも見えたが、現実そんなことは起こらず、検疫官の必死の努力により、日本にはきっと感染者が見つかっても被害は最小限に抑えられるだろうと思う。

私は『Re:Genesis』(カナダのTVドラマ)のシーズン3を観ている最中で、テレビを切り替えると、フィクションではなくまさか、現実にも感染のニュースが入るとは予想していなかった。

報道ではインフルエンザの名前を、新型だとかH1N1とか鳥とか豚とか、いろいろ呼び方を変えているので、一般の人は混乱しているのではないかと思う。
ソ連型と新型の違いって一体何の?とか、
疑問に思っている人は多いのではないかと思うのに、あまり深く説明されていない。
「新型」と呼ぶのはいいけど、またすぐに「新型」は出てきてしまう。

H1N1のH1とかN1って一体何なの?という疑問にお答えしましょう。
インフルエンザウイルスは、形をデフォルメして表現すると、このような形をしていて↓
(写真は球状のものを半分に割ったような絵になっている)

influenzavirus New scientis, Jan 7,2006

この絵でいうと、水色の突起部分がH1の「H」=Haemagglutinin
(ヘマグルチニン、日本語では血球凝集素ともいう)
の頭文字に当る。

H1というくらいなので、1以外にも存在し、16まである。
この突起部分が我々の身体の中の細胞内に侵入するときに必要となる。

N1のNは絵で言うと赤い突起部分を示していて、「N」=Neuraminidase(ノイラミニダーゼ)
の頭文字に当る。Nは9種類ある。
こっちの突起は、一旦侵入が終わった後に、細胞から離れる時に必要になる。

このページの説明は分かりやすい。
http://hobab.fc2web.com/sub4-influenza.htm

突起部分が異なると、違うウイルスの「種類」とみなしているので、
H1N1とか、H2N2とかH5N1とかそういう名前が出てくるのだ。

種類がどのくらいあるかは、Taxonomy Browserを見ると分かる。
インフルエンザの種類

1918年   スペイン風邪 H1N1(死者4000万人)
1957年   アジア風邪 H2N2(死者600万人)
1968年   香港型 H3N2 (死者100万人)
1977年~ ソ連型 H1N1 (死者?)
1997年~ 鳥インフル H5N1 (死者260人)
2009年   新型インフルエンザ H1N1 (死者?)

ウイルスは絵でいう、中心部にある色々な色の細長いもの(=RNA、つまり遺伝子)を、
我々の身体の細胞内に入れることが目的で、
これが入ってくると、私たちの身体は自分のRNAと思って増幅してしまう。

突起部位は、この細長いもの(RNA)の情報を元に“造られて”いて、
今回のインフルエンザの情報はGeneBankという公共データベースで見ることができる。

PB2、PB1、PA、HA、NP、NA、MP、NSの8種類の名前が各部位を示している。
報道でよく言っている8つのセグメント、というのはこれのことね。
(HAというのが、H1のHに当る部分で、NAがN1のN)

GenBank sequences from 2009 H1N1 influenza outbreak
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genomes/FLU/SwineFlu.html

今朝の読売新聞で出ていた、「豚ウイルス2種混合か」という記事では
米コロンビア大のラウル・ラバダン博士の暫定解析の内容が載っていた。

この8つの部位の配列をそれぞれ過去のデータと照合して、
そのうち2つ(NAとM)はヨーロッパアジア由来の豚インフルで、
残り6つ(HAなど)は北アメリカ由来の豚インフルだととか。

更には、北アメリカ由来の方は、鳥とヒトも媒介して豚に感染したものと考えられるというので、
いかにして、ウイルスが変化していっているのを追うのが大変かということが分かる。

元の記事
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19193


別冊日経サイエンス「感染症の脅威 パンデミックへの備えは万全か」に掲載されていた、
J.Kタウベンバーガーさんらの記事にインフルエンザの系統樹が載っていた。

インフルエンザの系統樹

これは、隣り合っているものほど遺伝子配列が似ていることを示している図で、
1918年のスペイン風邪のヒトインフルの配列が
アラスカで見つかった鳥インフルの配列とかけ離れていることを示している。
つまりヒトに感染する間にはずいぶん変異や進化が行われていることを表している。

ウイルスは常に、人類の気がついていない間に変化し続けているのだということを
教えてくれる。

+ Read More

Re:Genesis リ・ジェネシス

ついに衝動を抑えられず、Re:GenesisのDVDをシーズン3まで大人買いしてしまった。
はまってます。
シーズン4はWowowで4/14日(水)から放送スタート!
http://www.wowow.co.jp/drama/regenesis/

DVDにはブックレットがついており、ちゃんと専門用語の説明が載っている。
しかも!専門用語の監修は筑波大のウイルス学の先生(!)でした。。。

最初このドラマの存在を知ったとき、ちょっと観るのを躊躇っていたんだけど
(なぜなら、いつもこの手の題材のフィクションは怖い感じだから気分が滅入る)、
第一話を観て行きなり、「siRNA」(二本鎖のRNAで、同じ塩基配列をもつmRNAを分解する)
なんて単語が普通に出てきてびっくりした。

遺伝子治療の治験を行って亡くなった患者が、
治験のせいか、病気のせいか調べるだとか、
同じ治療でなぜ個人差がでるのかといったことを示したり、
HIV感染者に対して、
長期未発症者から精子と卵子をもらって幹細胞からワクチンをつくるとか、
マニアックでしょ…。

研究者のエゴと、それを防止する主人公達の活躍の場が
スピーディー&スリリングに描かれていて、
用語を知っていても深く理解するには結構大変。

何より、最先端の技術を何気なく使っているところと、
サイエンスを悪用するものから守る側の活躍を描いているところがすばらしい。

ラ・ヴィレットの科学産業シティ

フランス・パリまで飛んで帰ってきた。
初の家族海外旅行…クタビレタ……_| ̄|○

エッフェル塔や凱旋門はさておき。
パリの最北東の位置にあるLa Villette(ラ・ヴィレット)にある科学博物館でやっていた
企画展示で『EPIDEMIK -An Infectious exhibition』という
「パンデミックにどう対処するか?」をテーマにした生命科学の勉強を兼ねたゲームがあり、
本博物館にサノフィ・アベンティスとパスツール研究所、フランス公衆衛生学校教育(EHESP)が協賛して造ったイベントのようで、とても手の込んだ企画なのだった。

Epidemic

展示は二階建て構造になっていて、1階では壁面のスクリーンやモニターを使って
20世紀に起こった感染病の歴史や、専門用語の説明、感染病に対する重要性などを解説。

the game flower

2階部分は、前の方にスクリーンが映し出され、フロア全体で身体を使ってゲームを行うような仕組みになっている。参加者は同時に最大100人まで。
1ゲームは25分間で、5つのシナリオが用意されている。

(1)バイオテロリストにより、ニューヨークで肺ペストが流行
(2)ニースでチクングンヤ熱が発生
(3)シンガポールでインフルエンザが流行
(4)パリ、モスクワ、リオでAIDS
(5)バンコクとその周辺地域でマラリアが発生

参加者のうち、5人がリーダー(dicision makers)になり、それ以外は一般市民として参加する。
写真にあるような“輪”の中にはヒットポイントのような数値が示されていて、
感染が起きたら病院や隔離エリアなどに行ったり、薬を使ったりする。
フロア上には映像で示された薬やお金や水、マスク、ウイルスなどがウヨウヨしているのだ。
感染している人にぶつかると、自分も感染するので、子供たちは終始逃げ回っている。
ゲームの目的は生き残ることと感染を回避することで、最後に残った人数が最終結果となる。

Epidemic the game

英語やスペイン語には対応しているようだったが、
日本語はさすがにないので、是非輸入してやってほしい…
日本人の特に大人?はこういうの好きだと思うんだけどな。

科学博物館の中はこんな感じ。
かなり広くて、カフェやレストラン、ミュージアムショップも充実されている(フランスの施設はどこもそうだけど…)。
日本の科学館ではあまり中心に取り上げられていない
「数学」や「生命科学」についても展示があり、
いままさに使われている最新の電化製品の仕組みを伝える展示があって面白かった。

cite-sciences

ミュージアムショップでは、子供向けの科学捜査(police scienceっていうの?)の本があって、
それがすっごく興味深かったんだけど、何しろフランス語だったので、諦めた…
日本で似たような本を探してみたけど、今のところ見つかってない。。。

外科医の教授に褒められる

思えば、三年前…
何もない、がらんどうな教室に入ったことを思い出す。
しかも、歩けばガタガタ音がして、いまにも床が抜けそうな場所。
最上階の屋上に付け足したプレハブの一室。
一方、24時間冷房がついている真っ暗な物置部屋。
壁はどこもかしこも、雑巾で一拭きするだけで真っ黒になった。
その部屋に2年半。もう、あの部屋は出たわけだけど。

今日はシンポジウムでこの三年間の集大成を発表させてもらった。
口頭発表はこのプロジェクトで四回目だった。学会参加は2回。そのうち1回は海外。シンポジウムでは2回もしゃべらせてもらったのだ。
もうずっと付き合ってきた内容なので、口頭発表はそれほど緊張しなかった。
自分の言葉ですらすらと言えた。説明は短い時間だったが、終わった後、病院の外科医の教授が直々に私のところに来て、「すばらしかった。非常に面白い内容だったから、見にきてよかった。もし良かったら、今日の3時に、うちの部屋に来て、もう一度詳しく説明してくれないか」
と言ってきた。

私はびっくりして、とりあえず断れないので、「行きます!」と即答して、その時間に教授室にお邪魔した。お世話になってきた外科の教授と、その下の研究を手伝ってくれた先生。
二人に細かな説明を行ったが、かなり絶賛しており、二人で盛り上がるほどのテンションの高さ。
「早速明日の学会で発表したいので、資料をくれ」とか「なんなら、君が外科学会で発表してもらってもいいんだけど」などと冗談か本気かわからないことまで言い出す始末で、私は笑っていた。

教授室を出て、ふと、何も無かったときのことを思い出す。
と、あまりに感慨深くて、ちょっと不覚にも潤んでしまった。
苦労も多かったので、「やってよかった…」と思えた。
今日というこの日に、そう思えたことが何より嬉しくて、何も無いところから、ちゃんと医師が理解できる、医師が使えると思ってくれたものを作ることができたことが嬉しかった。
そして、2年半、ずっと伝わらなかった研究コンセプトが自分のプレゼンで判ってもらえたことが、何よりありがたかったのだった。

もちろん、周囲の様々な協力がなければ、できなかっただろう。
コンセプトは自分のものではなく、顧客の先生のものだし、つくったものも、自分から手を離れた今は、自分の範疇にはない。
それでも、これが、本当に研究から医療への応用への足がかかりになればいいな、と思うのだった。

DNAの先へ!

二週連続の週末の上野へ。
ちびっこ二人をつれて、まずは、国立科学博物館『大ロボット展』を観に行った。
歴代のオモチャのロボットから、実用で使われている工場のロボットまで、日本で開発されたロボットの展示。中央のステージでは、九州工業大学の技術紹介だった。モニターに映る人の顔の位置を認識して、イラストをつけたり、音を出したりする技術だった。先週、最終日だった『大徳川展』より、幾分マシな混雑だった。

アシモの演技はストーリー仕立てで、家でお留守番するアシモだった。舞台の真ん中の壁に映し出される仮想のテレビには、家族からメールが入る。長女の宿題を手伝うために、ダンスの振り付けを覚えたり(踊らされたり)、お母さんから、お客さんのためにお茶を出してと頼まれたり、お父さんに頼まれて、走らされたり、その表情を変えない、彼の動きを見ながら、何となくほほえましいのはなぜだろう。

その後、同じ建物の地球展に行ってみると、こんなポスターが。
『DNAの先へ!』

DNAの先へ!


地球館の2階の通路スペースから奥の部屋に入り口部分の小スペースに、期間限定の企画展。理化学研究所(横浜)が主催みたい。三部構成で、パネルで説明して装置と映像展示が主であった。

ゲノム情報の流れ(セントラルドグマ)→どうやってゲノムを読むか→加速するシーケンス技術というような流れで、DNAの説明は、CG仕立てのDNAの翻訳部分の映像を観る事ができる。ベンチの前だってこともあって、結構、見てる人は多かった。

装置は、RISAシステム・プラスミド調整機と、RISA-384シーケンサー。

シーケンスを読むところの実験手順の映像もあって、実際の実験の様子が見られたのもよかった。

最後は、次世代シーケンサー用のチップも展示してあって、シーケンス技術の歴史がパネル化してあり、2007年まで記述されていた。

チップ


ヒトのゲノムは30億塩基対(塩基対というのは、ATCGの数だと思って)といわれている。数年前までは、ヒトゲノムプロジェクトといって騒がれていた、数年かけて読まれたヒトの遺伝子が今年登場した、最新のシーケンサーでは、これを数日で読み終えてしまうほどの技術をもつことになった。

これから、もっと早く、そして正確に、なにより安価に遺伝子配列が読めるようになって、誰でも簡単に遺伝子配列を手に入れることができる時代が来ることは間違いないだろう。

サイエンスアゴラ 2007

今日はサイエンスアゴラ2007に参加しようとお台場へ。
以前からとても気になっていた、日本科学未来館の企画展、『地下展 空想と科学がもたらす闇の冒険』も、是非見ておきたいと思い、こども1名、おとな1名を連行して鑑賞しに行った。

サイエンスアゴラでは、いくつかのセミナーやワークショップ、シンポジウムに加えて、一般向けの実験教室や展示、ポスターなどが貼られていた。

まずは、未来館のまん前にある、東京国際交流館の中へ。サイエンスアートを推奨している、TANE+1LLC(タネプラスワン)のブース展示のところで、おそらくイラストレーターの菊谷詩子さんが立っており、丁寧に説明してくれた。

その後、DNAチップ研究所のブースで、『ハイブリ先生』という、DNAチップの作成からハイブリダイゼーション反応、結果判定(肉眼)ができるという教材用のチップがあることを知る。基板10枚セットで4万円というから、少し高いかなと思ったが、大学などで利用するならそれほどでもないかと思う。もう少し安くして、中高向けにも挑戦してほしいな。

それから、1階のポスター展示を見る。DNAのイラスト。Mihaさん展示が。驚く。

東京スペースダンスの『スペースダンス・イン・ザ・チューブ』を体験しに行く。“チューブ”という弾力性を持った布を強い力で張り巡らせてできた空間の中に、身体を進入させて、その空間で起こる人間のバランス感覚をはじめとする身体感覚を体験できるようになっている。ソウタははじめ、恐る恐る慎重に進んでいて、途中「助けて」なんて言っていたが、面白さが分かった途端、「もういちどやる」に変わっていた。

未来館の『地下展』では、発泡スチロールで作った氷河で、部屋に様々な角度での空間をつくり、面白い展示方法を展開していた。
地下にまつわるどんなストーリーになっているのかと、ワクワクして足を踏み入れた。“地下”と言っても幅広く、都内で造られた地下トンネルから始まり、放射性廃棄物や、地下生命体、地下内部の成分や、地球の起源にまでさかのぼり、地球という規模での地下の捉え方となっていた。

常設展示も周って、最後はドームシアターガイアでメガスターを見て眠りこけ、疲れ果てて帰ってきた。

科学と芸術の統合

昨日、気になっていたセミナー、渡辺格メモリアルセミナー、明日のサイエンスのために『科学と芸術の統合』を聴講してきた。

この講演は分子生物学の中でもかなり初期の頃から携われていた方で、ノーベル賞受賞者の利根川進先生を大学時代に海外留学させた人であり、DNA研究所を設立された渡邊格先生が3月に亡くなられたことで、今回、同会社が主催で開催されたセミナーである。荒川修作さんと利根川さんとでそれぞれ45分の講演の後、二人の対談を30分程度というスケジュールだった。時間が足りない、もったいないと思うくらい、もっと話を聞いていたかった。そのくらい面白い内容だった。

出張先で見た建築から辿って、見つけたこの講演で、分子生物学の話が出てきたことによって、リンクは一周した気分だった。利根川さんといえば、私がこの分野に行こうと決めたキッカケを与えてくれた人である。実際に生で先生の話を聞きながら、感慨深いものがあった。聴講者は150名くらいだったかな…

荒川さんは壇上に立つなり、「すごい人だなぁ。いつも会場を見てから何を話すかを決めてるんだよね」と言って、23年前に渡邊格さんに出会った時のこと、今年の2月に渡邊さんに会った時のこと、それまで渡邊さんと議論してきた話題について、時間軸を行ったり来たりしながら話した。

中でも、
「僕達はまだ人間になっていない」
「言語でできているものはろくなものではない」
「我々が今している労働はすべてきちがいだ」
と言うセリフはとても印象的だった。

なぜ人間になっていないか、というのはおそらく、人間がもちうる能力を人はすべて発揮していないということを伝えているようだった。

ある芸術作品で言葉で書かれているものを侮辱して、それに対して憤慨
した芸術家に対して、『その憤慨こそが言葉では表せないものだ』と訴えたというエピソードは面白かった。アルツハイマーの患者さんに対して、「へびのように動いてみろ」と言って、運動をさせたという話も興味深かった。

『動く(運動)』することこそが、生命を産み出すものだと彼は訴えているようだった。「ヒトは運動をしていない、五感なんてくだらない、何十億もの感覚を持っている。それを引き出す町を作る必要があるのだ」と、彼は言った。「後、2年のうちに、必ず」と。「渡邊さんに怒られて、目が覚めた」と。

利根川さんはスライドを使って説明。京大時代から留学をした先での研究内容をおおまかに話して、それから現在携われている脳研究について内容が移って行った。

そこで彼が訴えていたのは、「環境が大事」ということと、
「記憶を研究することは人を理解するための根本的なこと」であった。

ここでいう『環境』というのを説明するため、ノーベル受賞者の使徒関係を示したか系図を出して、弟子をいかに育てるか、能力を最大限に発揮するには、環境が大事だと話した。
『記憶』があるからこそ、脳の中で自分以外のすべてのものと関係をつくることができ、個性とは、その環境と遺伝子との相互作用によって産み出されるものであると説明した。
そして、脳は『脳細胞の計算がすべて』であり、これを調べればきっと人という生命がなんであるかを『分かる』ことができると信じているのだった。

対談では、その感覚ですべてを物語ってしまう荒川さんと、理論整然と話す利根川さんとの全く異なる異質な会話による言葉が出会った時、それは本当に先が読めない展開だった。何が起こるんだろうと私はドキドキした。

運動が先に起こり、環境から人を無限に開拓できると言い切る荒川さんと、内なるもの(記憶や遺伝子)と環境的なものが相互作用して、アウトプットが起きているんだという利根川さんとは全く会話がかみ合わず、平行線だった。

しかし、二人が話をしている方向性は同一の方を向いているようで、その座標が違うだけのような気がした。

利根川さんが、「宗教はわからないが、僕は『科学』が『ヒト』を知る最も効果的な手段であると考える。サイエンスが僕の宗教です」と言っていたこと、「みんなが『できない』と言っても、僕は『できる』ほうに賭けるんですよ」といったセリフには心を打たれた。


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